なかつかぜんじろう
1938(昭和13)年、岡山県生まれ。
1976年、大阪市立大学大学院文学研究科博士課程(心理学専攻)修了。
1982年、文学博士。
名城大学教職課程部、和歌山大学教育学部、鳴門教育大学障害児教育講座をへて、
2004年4月より、美作大学児童学科教授として勤務。
1988年、得度・僧階取得。法名は善成(ぜんじょう)。
内田クレペリン検査の研究に始まり、1980年代半ばからは障害児心理学、障害児
教育哲学を主なテーマとして研究活動を行う。特に自閉症研究では、心理統計法を
用いて自閉症児の行動的特徴と障害の本質を解明することを意図し、N式自閉傾向
測定尺度(Nakatsuka Scales of Autistic Tendencies NSAT)を開発。NSATを駆使して
多年にわたり自閉症研究を展開した結果、自閉症の基本障害が「情動の共有の困難
を中心とした、社会性の障害」であることを明らかにする。
また、障害児をもつ親の心理も重要なテーマとして取り上げ、障害児をもつ母親の
ストレスを客観的かつ直接的に測定できる「ストレス尺度」を構成して研究を続ける。
一連の研究成果と、自らの宗教的体験をもとに独創的な哲学的心理学理論である
「自己・他己双対理論」を構築。この理論に基づいて、1990年代以降は心理学・教育学・
哲学を主要な研究分野として研究を行う。最近では、これらに加えてさらに社会学・倫理
学・経済学・法律学・歴史学などへと探究の分野を拡大している。
将来的には、これら人文諸科学を「人間精神学」という学問体系として確立する構想を
持っている。
カウンセラーとしての経験も豊富で、障害児の療育相談や子どもの子育て相談などに
長年携わる。近年では、精神病理に悩む人や学校教員への支援も視野に入れて活動して
いる。
(主要著訳書)
『WISC-Rによる知能診断』(共訳、日本文化科学社、1983年)
『内田クレペリン検査の新評価法』(風間書房、1991年)
『人間精神学序説−自他統合の哲学的心理学の構築とその応用−』(風間書房、1994年)
『ひとで悩みたくない人は』(大東出版社、1994年、中塚善成名で執筆)
『学習障害研究における人間精神学の展開−新仮説の提唱および学習適応性尺度の構成−』
(共著、風間書房、2001年)
ぜんじょう
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