嵯峨山
登山(2008年5月4日 晴れ)
<ファミリー登山>
先日、10ヶ月ぶりの山歩きで、山への気持ちが盛り上がりつつある。
気持ちが燃え上がっても、体がついていかないのが現実で、近場の山を考える。
ゴールデンウィークでもあり、せっかくだから家族で登ろうと相談する。
妻が「みんなで登れるところへ行こう」と、前から言っていたというのもある。
明日は子供の日なので、山頂に大きな鯉のぼりが泳いでいる嵯峨山に決定。
嵯峨山は山城跡で、遊歩道が整備されているのは、標高260mの城跡まで。
山頂は三角点のある288.8mだが、道は無く、子供を連れては難しい。
鯉のぼりは城跡の一角に立てられているので、そこまでの往復を目標にする。
朝はのんびりした出発で、登り口に到着したのは10時すぎ。
午前中でも、すでに日差しは強く、少し歩けば汗ばむような陽気。
津山市中島のゴミステーションから西に向けて、住宅の間を登りはじめる。
登り口に標識などは無く、昨年、初めて来た時に下山路として使った道。
電波塔に向け、まっすぐ登りきると、平成16年の台風23号の被害地。
昨年と同様、風倒木処理後の荒れた雰囲気だが、新たに広葉樹が植林されている。
広範囲にサクラやモミジが植林されており、10年後が楽しみな道だ。
急斜面を巻く道があるが、雑草や潅木が伸び、いずれ道の機能を失いそう。
最短距離を登るような、岩が剥き出しの直登路が、もっぱらの道のようだ。
急坂はやがて緩くなり、林間に入ると空気がひんやりと気持ち良い。
子供達は、木切れを拾い、杖と言いながら、振り回し引きずり回し歩く。
妻は、日なたに顔を出しているワラビを、こまめに折って歩く。
私は、花や草を探し、藪や林縁をキョロキョロしながら歩く。
<里山の自然>
長男が元気良く先頭を歩いてゆくが、突然Uターンダッシュで「ヘビが出たぁー」
ヘビはすぐに姿を隠したらしいが、自然のヘビとの初対面に驚いたらしい。
その後、兄弟揃って「ヘビはいないか」と藪をかきまわすという、恐いもの知らず。
道中、クマ蜂のようなものが、すぐ近くをずっと飛んで離れない。
まるで道案内をしているようで、近づきすぎないよう、気をつけて歩く。
妻が、猛禽類が二羽「ピイヨピイヨ」と、優雅に舞っているのに気付く。
腹が白く、トンビではなさそうだが、鳥に疎い私には判別できない。
写真を狙うも、3倍ズームのカメラでは、たとえ写せても豆粒程度だろう。
あまり鳥は気にしない私だが、猛禽類などは、かっこいいなと珍しがる。
「コココココ」と木を叩く音が聞こえる方を見れば、コゲラのような鳥もいる。
これも二羽が、木から木へと飛びまわり、遊んでいるようにも見える。
急坂をゆっくりゆっくり登ってゆくが、ここ数日の日和で、路面の乾燥が激しい。
子供たちは、スリップばかりする足元に、ずいぶん苦戦している。
私も、軽い歩きだからとスニーカーで来ており、何度か足元を滑らせる。
近くの里山だからと、いい加減な準備で来てしまったことを反省する。
長男も、山を何度も歩くようならば、靴を考えないといけないだろう。
明るい日差しの中、葉桜の森と東屋のある山頂に到着する。
鯉のぼりが泳ぐ山頂から、津山市街や吉井川、那岐や後山連峰を見事に眺める。
周辺のサクラの木に、毛虫がたくさん発生し、子供達に触らぬよう注意する。
鯉のぼりを眺めたり、景色を眺めたり、おやつを食べたり、のんびり過ごす。
一年前は、ここからさらに三角点を目指し、ヤブコギをしたのを思い出す。
昼もすぎ、腹もすいてきたので、そろそろ下りようと東屋を出発。
登り以上に、下り坂では乾燥した砂が、足元を滑らせる。
次男は何度もこけてしまうのに疲れたのか、抱っこをねだる。
私だけなら諦めて歩くのだろうが、やたらと母親にせがみだす。
根負けしたか、妻が抱き抱えたまま、急坂を下りはじめる。
これも、ファミリー登山かな、と私も交代しながら抱いて歩く。
林間、皆伐地帯を抜け、民家が見える頃、分岐を北へ向けて下る。
登りの時とは別の登山口へと、鬱蒼と茂る竹やぶのそばを通過する。
竹やぶには、そこらじゅうに、掘り頃のタケノコが頭を出している。
子供は掘りたいと言うのだが、管理地ではいけないので、あきらめさせる。
花の少ない道程だったが、登山口到着寸前でマムシグサ(サトイモ科)と出会う。
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後日、見かけた猛禽類をネット上で訪ねたところ、ミサゴだと分かる。
こんな近くに、立派なタカの仲間が生息しているのはうれしい。
今度は、ミサゴを目的にして登ってみたいと思う。
<今回のコースタイム>
ゴミステーション10:21−交差点10:40−11:25城跡休憩舎12:10−12:50中島北登山口
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