花知ヶ仙登山(2008年5月24日 雨)
<一年ぶりの山と雨>
たいした予定の無い土曜日、久しぶりに一人で山を歩こうと考える。
単独で歩く山は、丸一年ぶりで、体力やら気分やら、確かめてみたい。
天気予報はあきらめろと言っているが、目覚めてみると、雨は降っていない。
もっとも、雨でも行くつもりなので、天気はあまり関係ないのだが、
雨天の朝だと思っていた為、いつもよりゆっくり起き、遅い出発。
津山市内のコンビニに寄ってから、国道179号を院庄から北上する。
鏡野町に入る頃、パラパラと雨が降り始める。
それほど強い雨ではないが、どの山も姿を隠している。
三ヶ上も妹山も、ガスの中で、影すらも見ることは出来ない。
上斎原石越から国道482号を東へ、遠藤の集落へ向かう。
遠藤周辺では、田植え後の水を見てまわっている人とすれ違う。
所々、荒れている林道をゆっくり通過し、巨木の中を登山口へ。
登山口向かいのスペースに駐車し、登山準備をする。
カッパ無しでもと悩むが、やはり上下着込んで、登山道に入る。
霧のような雨は降っているが、それほどのこともない。
登山口から稜線分岐まで、ニョイスミレ、タチツボスミレが点々と咲く。
気付けば、コチャルメルソウや、ヤマネコノメソウも咲いている。
道中には、スズノコが顔を出し、ちょうど良い時期だ。
所々、ありがたく頂きながら、のんびりと山を確かめるように登る。
雨で足元を心配していたが、それほど濡れてもおらず、スリップも少ない。
<一年ぶりの新緑とガス>
雨の中、立ち止まって、新緑の勢いを増した山を満喫する。
ユキザサやチゴユリが、まさに咲き時で、道の端々を白く彩る。
ツクバネソウ、エンレイソウ、コショウノキなどは、これからのようだ。
以前に比べ、随分広くなっている登山道は、急坂でも歩きやすい。
ヤブをかき分けながら、登っていた頃の道を思い出す。
登山者も増えているのだろうが、整備される方に感謝する。
雨は登るほどに弱くなり、流れるガスがはっきり見える。
風が吹くと、バララと枝のしずくが弾け、カッパのフードをかぶり直す。
完全に雲の中に入っているようで、空気もひんやりと心地よい。
やがて、ガスの山頂に到達、変わらぬ標柱と三角点が待っている。
三角点の写真を写そうとカメラを出すが、メモリーカードが入っていない。
一年ぶりの山行で、完璧な準備をしたつもりだったのに情けない。
しばらく山頂広場をうろうろし、下山開始。
登りでは大丈夫だった道も、下りになると随分滑る。
木々やネマガリダケで確保しながら、慎重に下る。
硬くなったネマガリダケは随分丈夫で、ちょっとやそっとではびくともしない。
そういえば、釣り好きの友人が、これで釣り竿を作っていたのを思い出す。
それほど時間もかからず、登山口まで一気に下る。
一年ぶりの一人山歩きは、カッパを着て、中も外もしっかり濡れる。
久しぶりの山の花々も新緑も、しっかり楽しめ、心からうれしい。
スズノコシーズンを狙っての山は、予想通り楽しいものだった。
しっかり収穫できたスズノコを、早く生薬したいところだが、次の計画。
せっかくの暇な土曜日、続けて別の山に登ってみよう。
<コースタイム>
登山口7:18−稜線分岐7:22−8:17山頂8:26−8:49登山口
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