伯州山登山(2008年5月24日 雨)
<今日の二座目>
花知ヶ仙を下山し、恩原高原を抜け、赤和瀬集落へ。
小雨の中、菓子パンをかじりながら、集落の中を伯州山へと車を走らす。
滝谷コースから登ったことが無いので、今回は、時計回りで歩いてみることに。
最奥の家から北上、林道を案内看板の近くまで行ってから駐車。
空を眺めながら、カッパのズボンとスパッツ、折りたたみ傘で出発。
登山道を数分歩き、分岐から右手の周遊路に入る。
良く整備された階段だが、雨に濡れ滑りやすくなっている。
薄明るい森の中、ぼやけた緑がとてもすばらしく、見入ってしまう。
カメラのメモリーを忘れた自分を、強く強く責めてしまう。
突然、バサリとキジが飛び出し、息が止まるほど驚かされる。
派手な色彩で、オスだろうか、驚いたのはキジのほうかもしれない。
最高地点から、道が南向きに下りだし、ルートを逆に入ったことに気付く。
南口から入ったつもりが、北口から入ってしまっている。
地図も確認せずに歩いているので、こうなってしまう。
まあしょうがない、案内看板まで周遊して登りなおそう。
周遊路から案内看板まで出て、さっき歩いた道を歩きなおす。
道々には、スミレが多く、敷き詰めたような群生が続く。
今歩いてきた花知ヶ仙よりも、緑の量が多く感じるのは標高の違いだろうか。
スミレが雨にうなだれたように咲き、ヤマネコノメソウ、ユキザサも並ぶ。
ノウサギが目前の登山道を走り抜け、またもや山の動物に驚かされる。
雨がかなり強くなり、傘も追いつかず、濡れる面積が増える。
<雨の山頂>
ブナの幹に、集められた雨が、滝のように流れ落ちる。
その水量たるや、水道の蛇口を全開にしたのではと思うほどに。
雨が降るといつも思うが、ブナやケヤキには、この状態が特に際立つ。
水を蓄える豊かな森、と言われる所以でもあろうか。
ブナの好きな方には、ぜひ雨のブナにも接してもらいたい。
大雨の中、山小屋に到着するが、とりあえず山頂を先に。
以前よりも、はるかに広く歩きやすくなっている山頂への道。
年々、登山者は増えていると聞くこの山、確かにそのようだ。
また、しっかり周辺整備をしてくださっている有志の方にも感謝。
ショウジョウバカマやチゴユリが、急な登りの息抜きになる。
山頂に到着すると、切り開きが随分広くなっている。
ネマガリダケをこれだけ切り開くのは、本当に大変な作業だと思う。
北へと広くなろうとしている山頂で、改めて、有志の方の力に感謝する。
伯州山を中心としたこの一帯には、まだ未開の1000m峰がいくつかある。
ヤブをこげば行けるのだが、いつの日か、ヤブ無しで行ける日が来るのかも。
雨は変わらず強く降っているが、空は思ったよりも明るい。
雲は早く、周囲の山も見えようか隠れようかしている。
風に体温を奪われそうなので、早々に山頂を退散。
山小屋まで一息で下り、傘を置き、縁側に座って一服する。
置かれている山小屋ノートをペラペラとめくってみる。
岡山の山メーリングリストなどの知った顔ぶれも見られ、うれしい。
<天候回復>
休憩していると、雨は次第に弱くなり、霧雨のような状態に。
今がチャンスだと、休憩を切り上げ、東に向かって下山を開始。
イワカガミが一ヶ所だけ咲き残っており、うれしくなる。
メモリーカードを忘れたことを、改めて、うらめしく思う。
天候の回復と共に、明るくなった森には、野鳥の声の賑やかさが増す。
小雨になっただけで、よい気分になり、林道終点の広場まで下山。
ここからは、道端の花や沢の音を楽しみながら、整備林道をのんびりと歩く。
林道沿いのタラは、ことごとく折り取られ、無残な姿を残している。
山菜を採るということ自体は良いと思うが、ダメージを与えるほどの収穫には反対。
それに、どんな山深い所にも、地権者はいるということは認識してもらいたい。
いつも駐車する沢沿いの広場に着く頃には、雨はほとんどやみ、傘をたたむ。
傘が無くなっただけで、随分身軽になった気分がする。
下山で使う舗装林道は、いつもよりも長く感じ、疲労感が増す。
車の駐車場所は、もっと下にしていたほうが良かったと後悔。
最奥の民家まで下り、再び滝山コースに入り、駐車場所まで登り返す。
荒れた砂利道を歩きながら、思ったよりも元気な自分を確認する。
この調子なら、まだもう少し歩けそうな気がする。
せっかくなので近場でもう一山登ってみようか。
時刻は昼前、もう少し体力測定をしてみようと、足早に伯州山を後にする。
<コースタイム>
滝谷看板9:46−周回路分岐9:52−滝谷看板10:04−山小屋10:34−10:38山頂10:43−10:46山小屋10:57−林道終点11:45−11:58滝谷看板
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