人形仙登山(2008年5月24日 雨)
<今日の3座目>
一日に三つも登るのはどれくらいぶりだろう。
伯州山を後にし、車で上斎原の町まで走りながら次の山を考える。
三ヶ上も捨てがたかったが、久しく登っていない人形仙にする。
国道179号上斎原振興センター前から西に向き、舗装林道を美作基幹林道2号線まで走る。
基幹林道沿い、三十七人塚近くの広場に駐車し、菓子パンをかじりながら登山口へ向かう。
よく整備されたゆるやかな登山道を、足元のスミレを見ながら進む。
やがて林間を抜け、分岐のある広々とした湿地帯に出る。
丸太を流した道を踏み外さないよう注意しながら直進し、母子地蔵へと向かう。
しばらくのんびり登ってゆくと、山砂土の丘に母子地蔵が静かに立っている。
周辺にはアカモノが咲き始め、かわいらしい姿が目を楽しませてくれる。
母子地蔵から往路を湿地帯まで戻り、布やらテープやらを目印に西側斜面に取り付く。
潅木のヤブがうるさく雨露でびしょ濡れになるが、気温がさほど低くないので無視して登る。
それなりに踏み跡やマーキングがあるが、よそ見をしていると見失いそう。
ガケに囲まれた場所に出るが、以前歩いた時の記憶にないもので地形図を確認。
間違ってはいないようなので、そのままガケをよじ登り、カヤトの草原斜面に出る。
<草原から山頂へ>
最上部にはネマガリダケの密生地が見え、そちらを目標に適当に斜面を登る。
枯れたカヤが雪に倒され、さらに雨で滑りやすく足元が危うい。
標高を稼いだところで降り返ると、母子地蔵や三ヶ上などが雲の合間に見られる。
ほぼピークに乗ったと思われるところで、しっかりと密集したネマガリダケのブッシュに突入。
磁石で方向だけ確認し、ヤブを真っ直ぐ漕いでいると、広く刈り払われた切り通しに飛び出す。
明らかに整備されている道だが、これも全く以前の記憶にない姿。
切り通しは南から登ってきており、そのまま三角点の方向へ伸びる。
三角点まではヤブコギを覚悟していたが、あっけなく三角点広場に到着。
良く刈り払われた三角点周辺は、今が盛りとスズノコが背を伸ばす。
周りのネマガリダケの背が高く、周辺の展望はない。
切り通しは三角点の先にも続き、行程を悩むが南からの道が気になり、そちらを優先。
来た道を戻り、一気に下り始める稜線の肩で地形図を確認。
人形仙三角点から南東に伸びる谷に下ってゆくルートのようだ。
距離的にも方向さえ誤らねば、行けそうな感じを受け、未知の道へ突入。
急で滑りやすい道を、ひたすら真っ直ぐに下ってゆく。
<沢下り>
下りきると沢に出会い、道はそこで途切れてしまう。
踏み跡もあるように思えるがはっきりせず、再度地形図で現在地を確認。
磁石と地図をにらめっこし、山頂南東の標高900mあたりの谷にいると判断する。
下った道を登り返す元気は無く、沢を下ることに。
雨後の為か、これはちょっと増水しているのでは?と、思うような情況。
沢の南岸を上に下に流れに沿って下るが、岸は次第に狭くなりルートが取れなくなる。
ままよと水に飛び込み、そのまま膝まで水に浸かりながらザブザブと沢の中を歩く。
思ったほど水温も低くなく、岩も少ない砂地の沢の為とても歩きやすい。
増水している気もするが、水は澄んで魚影もはっきり見える。
もう少し暑い時期ならば、全身で浴びたいような気分だ。
道路と道路下を貫通するトンネル水路が見え、ほぼ駐車場所の真北に飛び出す。
下半身がびしょ濡れだが、思わぬ沢歩きを楽しめ気分は爽快。
この沢を詰めれば人形仙への直登ルートになるはずで、そんなルート探索も楽しいかもしれない。
この後、もう一つ三ヶ上を考えたいところだが、濡れ姿を考えやめることに。
上斎原の名山を三つも楽しめ、充実した一日になった。
残念だったのは、写真を忘れてしまったこと。
<コースタイム>
登山口12:40−湿地帯分岐12:48−母子地蔵12:53−湿地帯分岐12:57−13:26山頂13:32−沢出会13:40−14:11登山口
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