●築城400年記念事業協賛企画

 “津山城跡を祝祭の空間に”現代いけばな野外展(仮)

 今年、2004年は、津山城築城400年の記念の年であり、市役所をはじめ、多くの市民団体が記念事業という名目で、さまざまな事業を実施しています。

そこで、つやま芸術祭推進委員会におきましては、この記念の年にあたり、津山の街のシンボルであり、近世から現代にいたる津山の街づくりの起点となってきた津山城をメインテーマとして扱うことにしました。

 津山城は、これまで、歴史的な事象に対するアプローチが重視されてきたきらいがあり、現在と将来の街づくりにおいてハードウェアとして活用するため、現代社会においてこの場所がどのような意味を持つものか、評価されてきたとは言いがたい面があります。

 そのため、今回この津山城をテーマとして取り扱うにあたり、作品とそれが置かれる場との関係を常に重視するいけばな作家のまなざしがとらえた津山城の魅力を表現したいけばな作品により、津山城を祝祭の空間に仕立てます。同時にそれは、現状の課題もそのかたちに含み、将来へ向けて津山城と私たちの関係を捉えなおす機会となる可能性も有しています。

  ■会 期 平成161022日(金)から1031日(日)

  ■会 場 国指定史跡 津山城跡(鶴山公園) 三の丸一帯

       岡山県津山市山下

       ※会場詳細については別添のとおり。

  ■出展者(50音順) 

       宇田川理翁(古流理恩会家元・会長

            「無題」
 http://ike_net21.at.infoseek.co.jp/udagawa.htm

       大坪 光泉(龍生派家元顧問教授
                                 「ロックンじゃがいも」

             http://homepage2.nifty.com/fp/

       日向 洋一(草月流師範会理事)

 「植物に語らせるもの」

●「わらぐろ」制作ワークショップ・展示

 上記の展覧会と平行して、つやま芸術祭推進委員会による「わらぐろ」制作・展示を行う計画です。

コンセプトの概要は、以下のとおりです。

「津山城=封建領主の支配は、いうまでもなく農民の営みに立脚しています。例えば「十万石」と言ったときの「石」とは、米の収穫量=農業生産量を単位にしたものです。

過去、津山城が支配の象徴として機能していた時代には、支配と被支配・生産と消費といった関係が津山城を中心に密接につながっていました。現代においては、そのような直接的な関係は失われ、津山城は誰にでも開放された空間であり、すべての人が憩える公園として、第2の生を送っています。

そのような現在の津山城の築城400年を祝うにあたり、本来的に津山城を支えてきた農業生産力を象

徴的に示すことにより、津山城が、私たちの祖先と現在の私たちすべてが共有している財産であることを提示したいと考えました。

そこで、地域で生産された藁を用いた「わらぐろ」(藁を家の形に積み上げたもの)を数点制作し、会場内に点在するように展示します。「わらぐろ」は、その田圃で行なわれた生産活動の成果を判りやすく表している「かたち」であり、また、均整のとれた美しさから、農業生産という行為を強い叙情性をもって語ることのできる「かたち」であるからです。」

 この「わらぐろ」制作・展示については、すでに作られない地域が多いことから、農業のあり方を体験させる活動として子供たちによる制作ワークショップとなりました。

  ■会 期 平成161022日(金)から1031日(日)

  ■会 場 国指定史跡 津山城跡(鶴山公園) 三の丸一帯

       岡山県津山市山下

  ■ワークショップ等日程  未定(1023/24日)

 

●森山大道写真展‐彼岸は廻る‐越後妻有版・真実のリア王

写真家、森山大道が撮影した、2003大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレで上演

されたクリスティアン・バスティアンス作「越後妻有版・真実のリア王」の制作・上演風景と、

その背景にある新潟県越後妻有地方の風景。私たちの町とは違う、しかし同一の課題を共有す

る日本の里山の一つの姿を見つめる機会として、津山城の展覧会と平行して開催します。

  ■会 期:平成161022日(金)から1029日(金)

  ■会 場:津山文化センター・展示ホール 岡山県津山市山下68



■南川茂樹「莢 ―増殖―」
大小さまざまな木片で制作した莢(さや)を、城東地区各所に軒先に吊るすなどして展示。町並みとの一体化を鑑賞してもらう。マメ科の植物が子孫である種子を莢で守っているように、世界に広がるあらゆる暴力から、次世代の生命を守るための象徴として莢を作る。展示会場:城東むかし町家


■日笠 保「つなぐもの」
橋の欄干などにつけられている橋の名前のプレートに紙をあて、鉛筆を使いフロッタージュ技法で文字を写し取る。写し取った紙をスチレンボードに貼り、箕作旧宅内の座敷の空間にインスタレーション的な構成を行うことで、過去から現在そして未来につながる津山という場を表現する。展示会場:箕作阮甫旧宅

■原 三郎「寒・樹・彩 ―古風&新風― 盆栽アート」
盆栽は、その存在が場所のあり方に大きな影響を及ぼすもの。白布に並べられた従来の展示ではなく、場所に合わせて表現する本来の盆栽を展示する。展示会場:城東むかし町家

■太田三郎「Sheep」
羊の絵柄の切手、約27万枚によるインスタレーション作品。城東むかし町家の2階の1部屋に展示。1997年2月クローン羊「ドーリー」誕生の報告は世界に衝撃を与えました。無限に増殖していくクローン羊のイメージを、同様に複製物である切手で表現します。展示会場:城東むかし町家

■長谷川勢津子「漉くことで結く(すくことですく)」  
作家自身で漉いた紙を用いた作品を風月軒の畳の間に敷き詰めることで異空間を作り出し、そこに繰り広げられる自然の風景の中に埋没させてしまう。でも、その前に立つ人にひとつの行動をうながし、2次元から3次元の世界へと展開させていく試みをしたい。展示会場:衆楽園風月軒

■井手 豊「零れ種〜井手豊・短編映像作品集」
あたかも津山の町をぼんやりと眺めているような、心が満ち足りた気分になるような映像数本を、45分程度にまとめた作品。繰り返し上映されます。展示会場:衆楽園余芳閣、津山市立図書館
■加藤シイチ「えとあーとの“しん”」
郵便はがきの制約を超えた年賀状作品を一般公募。応募作品を展示。しんは「心」であり、「芯」であり、「真」であり、また「新」でもあります。「えとあーと」のコンセプトの真髄に迫る。そんな意味を託しました。展示会場:津山市立文化展示ホール