著書一覧


1 幼児教育の設計 (1973) ひかりのくに出版
大西憲明監修、佐藤三郎、田中敏隆、中塚善次郎、守屋光雄、山松質文他9名 ・414頁
第6章 幼児教育ではどう評価してゆくか、を担当。(pp.197-228)

 概要:上記表題について次のように4つの節に分けて論じている。1.評価の意義と対象、では評価とは何か、および知能、性格、身体、環境、六領域の5つの評価対象について論じ、2.評価の方法、では、測定の信頼性と妥当性および具体的な評価方法として評定法、面接法、検査法、投影法、事例研究法の5つを述べている。また、3.幼児の個性の測定と評価、では、心誌法を中心に述べ、4.幼児指導要録の問題、では、具体的様式を示した。


2 実験とテスト−心理学の基礎−実習編 (1979) 心理学実験指導研究会
柿崎祐一(編集代表)、生沢雅夫、今田寛、本吉良治、中塚善次郎、他27名・190頁
W−4集団知能検査法およびW−5創造性の測定、を担当。(pp102-111)

 概要:人格測定の実習をさせるため、2つのテーマについて、それぞれ、目的、方法、結果の整理、考察に分けて、指示や標準を示した。このテキストの指示通りに行えば、自然にテスト理論やテストの考え方が理解できるように配慮した。 


3 実験とテスト−心理学の基礎−解説編 (1979) 心理学実験指導研究会
柿崎祐一(編集代表)、生沢雅夫、今田寛、本吉良治、中塚善次郎、他27名 ・313頁
W−4集団知能検査法およびW−5創造性の測定、を担当。(pp215-230)

概要:本書は、前書実習編の解説および参考となる事項を述べ、今後読むべき文献を数冊紹介するというもので、上記テーマについての基本的な事項がわかるように配慮した。


4 勉強のできる子・できない子 (1983) 創元社
北尾倫彦(編著)、松浦宏、杉村健、大日方重利、中塚善次郎、八田武志、228頁
第6章 障害をもつ子どもと勉強を担当。(pp.145-172)

 概要:障害をもつ子どもとはどんな子をいうのか、障害種別と原因について述べたのち、障害児をもつ両親のストレスに言及し、障害児やその母が差別や偏見から解放され、幸福に生きて行けるためにはどんな考え方や哲学が必要かが述べられた。さらに、知的な発達に遅れがある子の勉強の方法についての基本的考え方、発達を無視した方法の誤りが指摘された。最後に、あまり世間に知られていない学習障害児ないし微細脳機能障害児の事例が紹介され、勉強のさせ方が述べられた。


5 WISC-Rによる知能診断 (1983) 日本文化科学社
(共訳者)中塚善次郎、茂木茂八、田川元康、349頁
第4章WISC-Rの下位検査で測定される能力、第5章下位検査プロフィールへの攻究:実例と応用を分担。(pp.132-316)

 概要:4章は12の下位検査のいくつかがグループになって測定されるさまざまな能力が表示されている。また、一般知能因子と各下位検査の特殊性が関連した問題として検討されている。
5章と6章では、グループになって測っている能力を、プロフィールの中に見つけだす方法について述べられている。最後に、説明のための事例報告が4例あげられ、総合的理解に役立つよう配慮されている。


6 内田クレペリン検査の新評価法 (1994) 風間書房
中塚善次郎、295頁

 概要:この検査の普及度に比して明確でない測定内容をより明らかにするために、さまざまな研究を試みた。また、作業速度の変動のパターンの個人差をより有効に取り出す新しい評価法を提案した。これらの内容は5つの章に分けて述べられた。まず第T章では、内田クレペリン検査の歴史的な発展過程をおおざっぱにたどり、次いでU章では、T章で紹介されたこれまでの判定法ないし評価法が学業成績の予測という現実の場面で、いかなる妥当性をもつかが検討された。V章では、従来にはなかった新しい作業曲線の取り扱い方が検討され、W章では、この論文の中心をなす新しい評価法が2種類工夫された。最後にX章では、W章で工夫された2成分モデルの3つの測度、学習量、疲労量、波動量が標準化された。なお、この論文には、これまで発表した論文でクレペリンに関係したものは、全てまとめなおして含められている。


7 人間精神学序説−自他統合の哲学的心理学の構築とその応用− (1994) 風間書房
中塚善次郎、230頁

 概要:これまでに書いた6編(章)の論文と、新たに書き加えた2編(章)の論文を合わせて一冊の本とした。この中で、人間精神学という、心理学、哲学、教育学、宗教学など、人間の精神に関わる学問を統合した新たな学問領域を提唱した。それは、障害児の真に解放される社会を実現するためにである。そうした社会は、争いの止む社会であり、あらゆる人が幸せになる社会でもある。ここに収録した諸論文は、この人間精神学がどれほど実現可能であるか、を示すものである。その基本になるものは、「人間精神の心理学モデル」であり、「自己・他己双対理論」である。


8  学習障害研究における人間精神学の展開−新仮説の提唱および学習適応性尺度の構成− (2001) 風間書房
中塚善次郎、小川敦、246頁
基本哲学の提供、企画、構成、データ解析を担当。

 概要:本書は、理論編と研究編とからなり、まず理論編では、自己・他己双対理論と人間精神の心理学モデルに基づいて、学習障害の「自我−人格機能障害仮説」を提唱した。これは、従来の認知障害説では理解が困難であった点を克服し得る、包括的な仮説となっている。次に研究編では、仮説の検証を目指して行った調査研究について説明している。第1研究における結果の分析を通じて、4因子10尺度からなる「学習適応性尺度(Adjustment Scales of Learning : ASL)」を構成した。ASLの4因子は、それぞれ、人間精神の心理学モデルの4つの精神機能領域に対応している。続く第2研究では、ASLを用いたさらなる調査を行ったところ、筆者らの新たな仮説が支持された。また、ASLによる学習障害診断法の構築が試みられ、簡便な判定やADHDとの鑑別などにも道を拓いた。


9 自閉症の本質を問う−自閉症児への最適な個別支援を求めて− (2005) 風間書房
中塚善次郎(編著)、大向裕美、舛本啓子、鳥海孝子、藤川清美、亀井陽一、363頁
基本哲学の提供、企画、構成、データ解析を担当。

 概要:本書は、中塚の指導で書かれた未公刊修士論文5編(章)に加筆・修正を行ったものと、新たに書き加えた5編(章)の論文とで構成されている。自己・他己双対理論と人間精神の心理学モデルに基づき、主要な先行研究を検討・評価し、その問題点を明らかにするとともに、自閉症の本質的理解に役立つ新たな心理学理論を展開した。自閉症の主な症候である同一性保持症候の解明をはじめ、自閉症児教育の基本的方針の提示、自閉症児をもつ親のストレス研究、心の理論障害説に関する批判的検討などが、本書の主な内容である。




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