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一、 キーワードを三つ選択させる 向山式要約指導法は、細分化された学習システムになっているので誰でも追試可能である。 向山式要約指導法が初めてのクラスでは、まず教科書の本文に入る前に、「桃太郎」の物語を要約させる。印刷物などは無しで、次のような話を子ども達に聞かせる。
このようにして、鬼退治までざっと話す。 そして、「物語の中の大事な言葉をキーワードと言います。」と知らせたあと、次のように発問する。
この後、子ども達が書いたキーワードを板書させて検討する。お爺さん、お婆さん、きび団子、鬼、桃太郎、鬼退治、きじ、猿、犬、家来…などさまざま出るはずである。反対意見を言わせると激しい討論になるであろう。 正解は、「桃太郎・家来・鬼退治」である。なぜなら、桃太郎は、中心人物であるし、家来がいなければ闘えないし、やったことの中心は、鬼退治だからである。その他は、キーワードとは言えないと明確に伝えたい。 二、最重要なキーワードを選択させる さて、次に選択した三つのキーワードの中から、最重要なキーワードを選択させる。
意見は三つに分かれるはずである。正解は、中心人物である「桃太郎」である。 三、 二十文字以内で要約文を書かせる さて、いよいよ要約文を書かせることになる。ここで大切なことは、先ほど選択した最重要なキーワードで終わる文にさせることである。
子ども達が書いた要約文は、十名程度板書させて、然る後に検討する。キーワードが三つとも入っているか、二十文字以内か、「桃太郎」で終わっているかなど見る。どの子も、「家来を連れて鬼退治をした桃太郎。」といった要約文になるであろう。 以上のようにして、「桃太郎」を要約したら、教科書の本文に入る。始めから全文を要約させず、一場面(段落)ごとに要約させるようにする。 説明文の「問いかけ」の段落などは、最重要キーワードで名詞止めするのは不可能なので、私は、最重要キーワードを主語にして書かせている。 |