|
| 両側から流れ出た電流が、まん中でぶつかって光をだすという考えなのです。私は、感心したり、びっくりしたりしました。ただ、この考えを授業によって変えなければならないと思いました。大変なことだと思いました。もちろん、口で教えるのは簡単です。しかし、それは、授業ではありません。塾でやることです。アマがやることです。ある事実を示して、考えを変えねばなりません。 |
自らの理科実践を省みてみると、この言葉の重みがズシリと胸にしみる。私は、幾度となく説明によって子どもの考えを変えようとしてきたことであろうか。向山先生は、一方にしか電流をながさない発光ダイオードを使ってこの事実を示しているのである。
また、向山先生は、理科教育の原則として、
|
子どもがあきるまで物にふれさせることである。 |
と述べている。
物を与えて、あきるまで体験させ、子どもの内部情報を蓄積させることを「自由試行」というが、向山先生の理科実践は、この「自由試行」によって貫かれているものが多い。
三年学年研究授業の記録「空気を縮める」の実践が代表的である。
「空気を縮める」といえば、すぐに「空気でっぽう」を子ども達に与えがちだが、向山先生は、この点から疑っている。
そして、二学年での「ビニル袋」での先行学習に着目している。そして、
| 空気をとじこめて、圧し縮めよう。空気は、圧し縮められるだろうか。 |
と率直に問いかけている。
この後、子ども達は、ビニル袋、風船、などを教室に持ち込んで実験を繰り返しているのだ。
このほか、一年「じしゃく」や二年「音あつめ」の授業などが「自由試行」を用いた実践である。
詳しくは、小林幸雄氏が、向山洋一教育実践原理原則シリーズ「向山流自由試行で楽しい理科授業」(明治図書)で紹介している。向山全集と併せてご高覧いただきたい。