(明治図書)
続刊
堂々の発刊

向山洋一監修
 
岡田健治 小林幸雄編
 
向山洋一教育実践原理原則研究会著

 向山洋一教育実践原理原則シリーズ(明治図書)は、お蔭様で大好評です。連日、大変な反響が向山洋一教育実践原理原則研究会事務局センター に届いています。
「全部揃えました。」「すぐに教室で役立つ」「今まで、わからなかったことが、スッキリわかった。」などたくさんのお便りをいただいています。

 また、学生協ベスト25の中に、おびただしい教育書の中から、本シリーズが3冊もランクインしました。



「だれでもできる指名なし討論の授業」       5位
「向山型・説明文の授業」             6位
「やんちゃ坊主も熱中するクラスを創る原理原則」 24位


ま え が き   

 私は、かなりの実践を、これまでに発表してきた。
 分析批評による文学の授業、跳び箱指導、阿波踊り指導、社会科資料の活用方法、児童活動の諸分野、理科の授業。これらは百冊を越える著作、資料集に載せられている。
 私はいつしか、明治五年の学制発布以来、最も多くの本を出版した教師ということになった。
 これらの実践報告のほとんどは、多くの教師によって追試をされ、「やってよかった」という報告が雑誌等にされている。
 「追試」をするためには、原実践が具体的であればよい。
 教材や発問が明示されていれば、誰でもやることができる。
 ところが、それをもう一歩すすめて「向山実践のような授業を自分も創ってみたい」という事情は異なる。
 自分が新しく創造するためには、角度を別にして研究しなければならない。
 例えば、「上手な文章を書く」ための練習なら一流の作家の文章を写せばいいだろう。
 文章を書く力は伸びる。
 しかし、「自分も作品を創りたい」というのであれば、それだけでは不足だ。
 丹羽文雄の小説の書き方のような勉強が必要になる。
 例えば、「作品の出だしは、人々が動いている文で始めよ」というようにである。
 「人々は山荘につめかけた」という書き出しは、すぐに読者を作品に魅きつけるだけの力がある。

 向山実践を研究し、それを越えていこうという教師が「向山洋一の教育実践原理原則研究会」を作った。会員はすでに千名を超えている。
 そこでは、「向山実践に共通する原理・原則の抽出とその応用」の研究が行われている。
 例えば、原理原則の一つに「局面を限定せよ」ということがある。次のようなことである。

  次の文を読み分けなさい。
  @雨。    A雨?    B雨!
  C雨。   Dあめ?  E雨

 これは「雨」という文字だけの表現を用いている。
 このように局面を限定することで、思考は深まり、授業は楽しくなる。
 向山実践には、「局面限定」のような原理原則がいくつも見られる。
 「変化のあるくり返し」などもその代表であろう。
 本シリーズでは、向山実践におけるこのような原理原則を明らかにし、その活用・応用を研究したものである。
 お役に立てば幸いである。                                                  向山 洋一 







1.やんちゃ坊主も熱中するクラスを創る原理原則(第
11巻)

 本書は、社会問題化しつつある「学級崩壊」の現状に切り込む一冊である。「学級崩壊」を扱った本は数多いが、本書が他の本と違うのは、向山実践の学級経営を分析・検討することを通して、「学級崩壊」を未然に防ぐ具体的な手立てを提起している点である。
つまり、本書を熟読し正確に実践すれば、「学級崩壊」は起こらないのである。この点が、本書が広まる所以である。
巻頭には、関西事務局である学級経営研究会の研究成果が、収録されている。
「黄金の3日間」の指導法を伊谷信哉氏、いじめの構造を破壊する方法を河上仙子氏、集団の教育力の生かし方を福井隆二氏が、具体的な実践を通して紹介している。

そして、熱中するクラスづくりの実践事例、トラブルが発生した時の解決法、荒れたクラスを立て直す方法、楽しいイベントの仕掛け方が、詳しく紹介されている。
平田淳氏は、教師が集団を味方につけてやんちゃ坊主と闘い、やんちゃ坊主を孤立させた後はフォローが大切であると述べている。
こうした、温かみこそが学級経営のポイントなのである。孤立したやんちゃ坊主が、教師を恨むケースもあるのだ。坂田幸義氏、本井訓氏、佐藤正寿氏、井上朋子氏も、やんちゃ坊主への愛情の重要さを指摘している。








2.だれでもできる指名なし討論の授業(第12巻)

指名なし討論は、名人の技であり誰でもできるものではない。
この大テーマに臨んだのかが本書である。
巻頭で、小林氏は、指名なし討論へのステップと向山学級の討論の特徴を分析した。
また、長年向山先生と同学年を組まれた師尾喜代子氏は、向山学級の指名なし討論のようすを述べている。
向山先生の討論指導の方法が紹介されている点は、見逃せない。
松藤司氏、大島英明氏、木村重夫氏らは、討論を生む発問の特質を解明している。
伴一孝氏、坂本盛吾氏と私は、討論の授業の組み立て方を提起した。そして、貴重な実践事例を小学校・中学校とも数多く収録した。








3.向山型・説明文の授業(第13巻)

市毛勝雄先生(早稲田大学教育学部教授)は、国語教育12月号の書評で本書をとりあげてくださっている。
そして、「これまでの凡百の実践報告が役立たないのは、『内容を読みとる』と称して文章を端から舐めるように説明(言い換えにすぎない)していって、文章が終わったところで説明も終わる、という無原則な『おしゃべり』だからである。
(中略)説明文教材では論理的文章の形式を教えるという大原則を貫いている本書は、説明文の授業書としての資格を備えている」と絶賛してくださっている。

本書は、追試に必要な教材文や発問・指示もまるごと収録しているので、説明文の授業にはもってこいの最高の一冊である。







4.向山流「自由試行」で
楽しい理科授業(14巻)

向山流理科授業の原理原則である「子どもが飽きるまで物に触れさせる」という「自由試行」。
向山流「自由試行」の授業の特徴は、「楽しい。」「内部情報が、蓄積される。」「自然の法則に気づく」という点であろう。
この向山流「自由試行」をすっかりマスターできるのが本書である。
自由試行は、ただ、やらせっ放しにすることではない。
これでは、単なる指導放棄である。
本書では、当会の理科教育の実践家15名が、実践を通して、どのようにすれば向山流の自由試行の授業ができるのかを、具体的に提起している。
1世紀の教育は、体験的な学習や問題解決的な学習が重視されることは、周知のとおりであるが、向山流「自由試行」の授業こそ、21世紀型の理科授業であると言える。








5.「再現する学習」で創る向山式社会科授業
(第15巻)

「『再現する』とは、何か?それは、ある方向の情報を選択しもう一度示すことである。見学する、観察するとは、情報を蓄積することであり、調査するとはある方向の情報を見つけることである。」と向山先生は言う。
この「再現する」という骨太な原理原則で社会科授業を貫いているのが、本書の実践記録である。

松藤氏は飛鳥・奈良時代、野崎氏・丸尾氏はは鎌倉、迫田氏は室町、佐藤氏は戦国、長塚氏は江戸、吉田氏は明治、山川氏・石井氏・山西氏は5年工業、山之口氏は5年通信、勇氏は、5年農業、坂田氏は3年商店街、平藤氏は、4年公民館、原氏は4年火事の実践を紹介している。
本書は、どの学年、どの単元でも活用可能な授業事典のような組み立てになっている点も魅力である。








6.一文を知的に授業する(第16巻)
 国語教育(明治図書)の江部満編集長が、「この本が、一番部数が伸びそうです。」と絶賛してくださったのが本書である。
向山先生は、ほんの短い言葉でも、1時間でも2時間でも知的な集団思考をうながす授業ができることを実践で示している。
しかし、この境地に達するには、教材を鋭い切り口で料理できるプロの腕が必要になることは言うまでも無い。
このテーマに勇敢に臨んだ実践記録が、本書に多数収録した。
駒井氏は、「その日は土曜日で、午後から友達の三好君と市の中心にある駅ビルに買い物にでかけました。」という一文、長野氏は、「雨に濡れにし夜汽車の窓に映りたる山間の町のともしびの色」という一文で授業を組み立てている。読む前に、自分なりの発問構成を書き出してみると面白い。
できそうで、なかなかできないものである。他に、追試可能な優れた実践記録を数多く収録した。







7.熱中する授業の原理原則はこれだ!(17巻)
向山先生は、「熱中する授業には原理原則がある」と言う。
確かに、向山実践を追試すると常に子どもは熱中する。
それでは、熱中する授業を組み立てるには、どのようにすればいいのだろうか。
このテーマに真正面から切り込んだのが、本書である。
膨大な向山実践を分析し、その中から子どもが熱中する原理原則だけを抽出することに、ついに成功したのである。
例えば、変化のあるくり返し、局面の限定、指導評価、テンポ、説明なし、誉める、ゆさぶる、あれども見えずなどである。
そして、その原理原則を活用した実践例を数多く収録した。本書を活用すれば、すぐに子どもが熱中する授業を組み立てることが可能なのである。







向山洋一教育実践原理原則シリーズ(明治図書)
@ 「局面限定」の原理原則を活用する 
子どもの力を引き出したかったら,まず局面を限定することだと説く。「局面限定の原理原則」を応用した授業例を数多く集録し活用の方法を解説。
 
1903円
A 「変化のあるくり返し」で授業を構成する
「変化のある反駁発問のくり返し」で子どもたちの追求心をあおり,より深い理解,より高い認識のレベルまで押し上げるのに成功した事例を収集。
1903円
B この発問で起きた!「逆転現象」
「逆転現象」の授業はプロの教師をめざすなら必ず試みるべきだ。「できない」という観念を「できる」という観念に変えてしまう。その典型示す。     
1602円
C 向山式サイクル図で地球環境の授業
向山式サイクル図は,環境問題や地球環境の授業に不可欠の学習法である。サイクル図は複雑な要因をもつ環境構造,関係をシンプルに表現する
1903円
D 「指導評価」で子どもの力を引き出す
「指導評価」をふんだんに取り入れて指導すれば子どもが伸びる。評定そのものが指導になり,評定によって子どもの力が伸びるという方法である。  
1903円
E 「討論の授業」の第一歩 
「討論の授業」をどう組み立てていくか。日常の指導・発問・発表の仕方・教材などのポイントを向山実践の原理原則をもとに,活用と応用を論述。       
2000円
F  向山型「分析批評」の授業向山型「分析批評」で白熱化した討論が起こる授業をめざし,各教材での授業の組み立てや指導の検討を通し,向山実践から原理原則を探る労作。        2060円
G  「終末局面開始の原理原則」を活用する
「終末局面開始の原理原則」とは何か。それをどう活用・応用していくか。各種運動などの終末局面の指導法をもとに,向山実践の原理原則を解明。
1709円
H  子どもが熱中する「向山式学習システム」
自学」できる学習システムの解明とその応用。向山式チェック法,算数・国語のまとめ,クイズ形式,漢字おさらいシステム,計算学習システム。
1600円
I  向山実践の思想と極意
向山実践の共通する原理・原則の抽出とその応用。今号は「思想と極意」に焦点を合わせ,15名の教師がその一般化を図るために分析した解明の書。
        
2060円
11 やんちゃ坊主も熱中するクラスを創る原理原則
学級びらきの危機管理から始まり成功体験でやんちゃ坊主が成長するさまざまな手立てを提案する。熱中クラスづくりのための秘策が満載されている 
2160円
12 だれでもできる指名なし討論の授業
指名なし討論の授業は多くの教師のあこがれの授業である。本書には20編の実践でそのための手立てが説明されている。指名なし討論の授業入門。     
2060円
13 向山型・説明文の授業
説明文の授業の原理原則を応用した実践例15編。これらの実践を通して向山型説明文指導の応用自在が説明されている。説明文授業の具体化指針。
2260円
14 「再現する学習」で創る向山式社会科授業
「再現する」とは何か。それはある方向の情報を選択し、もう一度示すこと。見学する、観察するとは情報を蓄積すること。再現する学習例で詳述。
2160円
15 向山流「自由試行」で楽しい理科授業
自由試行とは何も予定されていない体験の重視。この巻には「自由試行で理科授業を変えた」実践を15編収録。自由試行は子どもを変える。
2060円
16 一文を知的に授業する
あいまいさのある一文を取り上げることで、言葉の力=言語技術を身につけさせる。これを何度も繰り返すことで、言葉の力が身につく。その実例。
2000円
17 熱中する授業の原理原則はこれだ!
「熱中する授業」を創るためのみちすじを明らかにし、変化のある繰り返し、自ら学ぶシステムづくり、ゲームとゆさぶり、力のある資料づくり等。
2060円
インターネットショッピングは、明治図書でお願いします。
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※定価は本体価格(税別)です

向山洋一教育実践原理原則シリーズ(明治図書)続刊が、爆発的に広まっていす。当会が自信を持ってお勧めします。
是非、座右においてご活用ください。
 
            
向山洋一教育実践
            原理原則研究会事務局センター
                所長 岡田健治