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木地師の道具 轆轤(ろくろ)と轆轤鉋(ろくろがんな)

轆轤と轆轤鉋

木地師の使う道具として、主に轆轤(ろくろ)と轆轤鉋(ろくろがんな)があります。これは扱う人が使いやすいように自分で作ります。私が父から教わったことは、自分が使う道具は自分で作るということです。

轆轤(ろくろ)の歴史

平安時代貞観のむかし、惟喬親王が都を逃れて蛭谷、君ヶ畑(滋賀県)に隠れてこの轆轤挽き(巻物のひもにヒントを得て考えついた)の業を木地師の元祖ともいわれる小椋実秀卿に命じて、土地の人々に伝授したといわれる。 昔は手挽き(二人挽き)轆轤を使っていたが、その後、足踏み・水車轆轤などに変わり、現在では電動轆轤に変わってきた。

写真は木地師発祥の地といわれている滋賀県東近江市(旧滋賀県永源寺町)で行われた二人挽き轆轤の様子です。一人が轆轤を回しもう一人が刃物で木地を削っていきます。

当店で使っている電動轆轤

当店では二台(大・小)の轆轤を使い分けながら製作しています。轆轤も自分が使いやすくする為、すべて手作りです。どちらの轆轤にも、足元に三本の木があります。これを足で操作し、回転・逆回転・止まるを行います。 手作りの為、トラブルが発生すると自分で修理をしないといけないので、大変です。一日で直るときもあれば、直らないときもあるからです。

木地師十三代小椋芳之が使う轆轤鉋(ろくろがんな)

挽く器(木の材料)を、細長い鉄の棒状の先にJ状の刃物を作り、その刃物で円形の器を挽き出す道具を「轆轤鉋」、あるいは「バイト」と呼ぶ。この轆轤鉋は日本の木地師特有の道具である。

刃先は基本はまっすぐなものだが様々ありすぎて私の言葉ではいい表せられない。私は「安来ハガネ青」と「ハイス四種」を使っている。二つの刃先を使っていて思うことは、「ハイス」は熱に強いのかわからないが、削るときの摩擦性が高いような気がする。 「安来ハガネ」の場合は、削ると刃先がすぐ摩擦してしまう。だから、何度も研ぎながら轆轤を挽くことになる。また、鍛冶屋をするときには「安来ハガネ」はカナヅチで打つと良く伸びるので、自分の思い通りの形になってくれるが、「ハイス」はなかなか思うようにはなってくれない。[2002年]

木地師学会会長 楯英雄氏のことば

現在、この「轆轤鉋」は、ハイスと呼ばれる非常に硬質のものが使われている。国の伝統的工芸品に指定されている富山県庄川逸物、長野県南木層ろくろ細工の業界でも、ほとんどこのハイスを原材料とした轆轤鉋を用いている。 ハイスは材質が硬いので、挽き出す素材を短時間に仕上げることが出来る。また、木地師の技術が未熟でも、刃物が切れるため(ハイスという硬い刃物ゆえ)お椀などの器が簡単に挽き出すことが出来る。

小椋芳之氏が、この「ハイス四種」を轆轤鉋として用いるようになったのは平成十二年からである。「ハイス四種」という材料も、「安来ハガネ」の「刃先」に自分で鍛冶屋をして定着し使用している。それは、ハイスに比べて軟質な「安来ハガネ青」は、轆轤鉋としては挽く高度な技術が要求されることである。 ハイスの場合、木の材質を刃物でガリガリと挽き出すため、茶托、菓子器の表面をサンドペーパーをあて、木の表面のザラザラを消し、かつ光沢を出している。小椋芳之氏の場合、轆轤鉋のみでハイス以上の美しい光沢を挽き出している。

私は木地師の研究をもう三十年も続けているが、木地師の作品、製品の仕上げ、技術の良し悪しを目で見るのではなく手の指先で判定している。[2002年現在]

当店について

鶴山漆器おぐら
岡山県津山市鉄砲町
TEL/FAX (0868)22-6029