8)漆塗り

当家の漆塗りについて

漆を塗るために一番重要な工程は下地作りにあると思います。当家に伝承された漆塗りの技法は千軒刻研出本漆塗(せんげんぼりとぎだしほんうるしぬり)と言います。

この塗りの最大の特徴は下地作りの段階で、一度塗った漆を拭き取った後、漆ととの粉を混ぜ合わせたものを塗り、乾燥したら水で研ぐ(洗い落とす)という過程を行うことです。 その後も「漆を塗り」「拭き取り」「水で研ぐ」という過程を繰り返します。ですから、木に漆を塗るのではなく、漆を木に染み込ませるというのが正しいかもしれません。

こうすることで、杢目に濃淡が出て浮かび上がらせることができるのです。漆を塗る工程は最低一ヶ月はかかります。また、季節や天候によっても漆の乾き具合などが変わってくるので気を使います。

研出漆塗りの工程一覧

1)木地を水拭きする

木の目が開くので、漆が浸透しやすくなります。

2)乾燥1日

乾燥させるため室装置をつけ、最低温度15度以上・湿度60~65%程度を保ちながら乾燥させる。漆を塗る上で重要な作業といえます。

3)薄い漆をすばやく塗る

濃い漆を塗るとムラになりやすいからです。

4)乾燥1日
5)水研ぎ(荒とぎ)

水と耐水ペーパーで磨きます。3)の工程の後は表面がザラザラしているので磨いてツルツルにします。

6)乾燥2~3日
7)薄い漆を塗る

3)よりも少し濃い目の漆を塗ります。

8)との粉を塗りこむ

赤との粉に水を入れ、どろどろにしたものに少量の漆を混ぜてよく練り合わせます。それを7)に塗りこみます。こうすることで木の目に良く入り、目止めになります。

9)乾燥2~3日

5)の工程と同じように、水を使い行います。

10)水研ぎ(中とぎ)

木の目が開くので、漆が浸透しやすくなります。

11)乾燥2~3日

ここまでの工程が下地です。

12)少し濃い目の漆を塗る
13)乾燥1日
14)水研ぎ

ここでは軽く行います。

19)乾燥1日
20)漆を塗る

16)より濃い目の漆を塗る。

21)空とぎ

水を使わずぺーパーで軽く磨く。ここでペーパーの筋がつかないようにするのが難しい。

ここからの工程からとても気を使うところです。

22)漆を塗る

濃い漆を塗る。

23)乾燥1日
24)22)~23)の工程を4回繰り返す
25)つの粉(角粉)で磨く

つの粉と菜種油を混ぜたもので磨いていきます。

26)布で油を拭き取る

油を布でしっかりと拭き取ります。

27)漆を塗る

とても濃い漆を塗る。

28)乾燥2日

濃い漆を塗った後なので2日はおきます。

29)漆を塗る
30)乾燥1日
31)25)~30)までの工程を2回繰り返す
32)漆を塗る
33)乾燥2日
34)32)~33)の工程を2回繰り返す

木の目が開くので、漆が浸透しやすくなります。

これで仕上がりです

漆塗りにかかる期間

短くて一ヶ月。大きな製品の場合は一ヶ月半から二ヶ月。この歳になっても失敗もあり、納得いくまで塗りなおすことも少なくありません。

当店について

鶴山漆器おぐら
岡山県津山市鉄砲町
TEL/FAX (0868)22-6029