しかし、この鴨たち、いったい誰のものでしょうか。
あれは公園の所有で、風切り羽を切ってあるから飛べないのだという人もいます。
私は長いことこれは野性の鴨で、本来は野山を渡っているところを、たまたまサンクチュアリをみつけて居座ってしまったのだと思っていました。きっと、おどかしたら飛び立ってしまって、愛嬌を振りまく姿は見られなくなってしまうのだろうなと、みんなもそう思っているのではないでしょうか。
しかし、聞くところによると、彼らはアイガモだというではないですか。
ホームセンターで980円で売っているアイガモの子供が大きくなって、飼い主が困って公園に放しにきたものだということです。
私は、自分なりに納得して鴨とつきあってきたばかりにこれはショックでした。
確かに980円で鴨が飼えるというのは知っていましたが、庭に池があって、少々ガアガア言われてもかまわない優雅な屋敷がある人にだけ許された趣味なのだと思っていました。アイガモのひなはいつも売っていますが、アイガモが庭の池に浮いている家は見たことがないから、自分が会ったこともないぐらい選ばれた人たちの趣味だと思っていたのですが。
それじゃ、吉井川のちょっと下流にたむろしている鴨もアイガモなのでしょうか。
ちょっと人が(鴨も)信じられなくなってきました。
この記事を読んで、「そうか、カモの処置に困ったら衆楽園に捨てに行けばいいんだ。」とか、「そうか、アレはいぢめても逃げられないんだ。」とか考えないようにお願いします。
たとえアイガモでも、彼らはそれなりに自由に、楽しく生きているのですから。
それから、ホームセンターでは、明らかに買った人が処置に困るようなものを売ってはいけないと思いますね。昔は縁日のカラーヒヨコなんていましたが、こんなことは人間として恥ずかしいことだと思います。
わけを知ってしまったらちょっと奇妙なサンクチュアリですが、無心な鴨たちを一度ご覧になって下さい。(数はこれ以上増やさないようくれぐれもお願いします。)
飛び去っていく鴨の後ろ姿を見送りながら野生の迫力、気高さ、それに身近にふれることのありがたさ、なんだかうらやましさ、いろいろな思いが心をよぎったあと、最後に思ったのは「ああ、ホームページに間違いを書いてしまった。」
というわけでこのページの記述は誤りだったことを報告して訂正します。(01.01.25追記)