蘇っちゃったPentium75

-人はどこまで低性能に耐えることができるか-


日曜日に買い物に行きました。
今日の目標は何にするか直前まで迷っていたのですが、意を決してWindows98SEを購入しました。
世間一般には「何を今さら」なのですが、WindowsMEにはDosモードの入り口がないので、私どものようなエンスーにはこれが最後のWindowsなのかな(そんなわけない)と思っていました。

今までもWindows98(SEでない)を使用していたわけですが、近々ケーブルテレビが我が家に敷設されるので、「ネットワーク接続の共有」が出来るWin98SEを使うことで自家製ルータが作れるのかな、と思ったのもひとつの要素です。
(その後、ルータによろうが、ハブにしようが、プロバイダは接続したパソコンの台数分の料金を頂きますというお返事を頂きました。)

ここまでは前置きです。今日の本題は倉敷のアプライドまで足を伸ばしたことによります。
中古コーナーに980円の6倍速CD−ROMドライブがありました。それからやはり980円で730MBのハードディスクもあります。
メモリが今までにない安値になったこのごろ、マシンを作ったり拾ったマシンを修繕するにはCD−ROMやハードディスクの不足が一番のネックになっています。(まじめに論じているように見えますが、拾ったマシンは一般に修理して使う値打ちはないものです。)
これでずっと以前に拾ったPentium75MHzのマシンが修理出来ると、CD−ROMを2台と、850MBのハードディスク(1380円)を購入しました。

さて、以前拾ったマシンというのは、PackardBellのPentium75MHzマシンで、CPUなし、メモリなし、CD−ROMなし、フロッピードライブなし、もちろんキーボードもディスプレイもなしという残骸の状態でした。
マニュアルやBIOSアップデートなどを期待してメーカーのサイトを覗いてもみたのですが、念願のマニュアルにたどり着く前に個人情報に関するアンケートに長々と答えさせられた後に、「マニュアルに添付されているユーザー番号を入力してください」のようなオチがあって、メーカーからのサポートはほぼ期待出来ないことがわかりました。
一時はバラして電源を他に使っていたのですが、CPUを拾得したので組み直して電源を入れてみました。動きません。SIMMメモリに適不適があるのでしょうか。しばらくして、やけくそにメモリを全部外して電源を入れたら、いきなり動き始めたのでびっくりしました。
8MBだけマザーボード上にメモリがオンボード実装されていたのでした。こういうのも珍しい。しかも中途半端。

この残骸が捨て難かったのはCirrusLogicのビデオチップがオンボード実装されているためにビデオカードが不要だったからです。それから、これほど低性能なら、消費電力も少なかろうと思うのですが、実際のところは不明です。

さて、CD−ROMとハードディスクが揃えば、あと足りないものはフロッピードライブだけです。案の定もう一台買いそろえる余力はありません。

ここで、普通は別のマシンからフロッピードライブを借りてくるところですが、今回はハードディスクを外されたまま眠っていたマシンMinervaを使いました。実はそんなに複雑なことをする必要はないのですが、MinervaにWindows98SEをインストールして、そのハードディスクをPackardBellに移植することでフロッピードライブを一度も取り付けることなくインストールが終了しました。

さて、起動です。お?動きません。

メモリを外してみます。やはり動きません。

CPUのファンがむなしく回っているだけのマシンを見て、あわてず考えました。
このマシンは以前もしばらくしてからやおら動き出しました。ひょっとして、マザーボード上の電池が消耗して起動不能になっていたものが、しばらくのうちに充電されて起動可能になるのではないでしょうか?

案の定、しばらくしたら、マシンは起動しました。
ハードディスクがカリカリと回り続けて、何か大変な作業をしているみたいです。
しばらくしたらマシンの構成を自動的に検知して適合するドライバを自動的にインストールしていきます。Windows98SEになっても、この太古のリソースはきちんと利用可能になっています。

チップセットはIntel製ではありません。VIAでもSiSでもありません。VLSIと書いてあるのがメーカー名のようです。
末期のPC9821シリーズにIntelの430VXチップセットが載っていたのと対照的な気がします。

動き出したマシンは、遅いことを除いては何の欠点もなく動いています。
ただ、その遅さたるや目を覆うものがあります。
何しろメモリが16MBしかないので、アプリケーションを読み出すや否やせっせとスワップファイルに書き出すばかりしているのでしょう。マイコンピュータを開くのに十数秒かかります。インターネットエクスプローラに至っては何をダブルクリックしたのか忘れるぐらい経たないと開きません。

耐えかねて正体不明のSIMMをほじくり出してきて、2枚増設したら合計18MBになりました。どうやら1MBのSIMMだったようです。
18MBのメモリでは一般にWindows98は動かないものとされています。が、使い物にならないという点ではMicrosoftの言うとおりかもしれません。

ソフトをインストールしようと思ったらCD−ROMが不良です。カスカスと中でこすれる音がしてすぐ止まったり、エラーを出したりします。しばらくしたら回転軸が合うのか忘れたように快調になりますが、メディアを入れ替えたらまた落ち着くまで面倒を見なければなりません。

次の日(今日)になって、これには劇的な改善策があることを発見しました。
マシンを横倒しにして、CD−ROMの回転軸が水平方向を向くようにしたら何の問題もなく読みとりが出来るようになりました。ガタの来た駆動系が、重力によって固定されて安定するもののようです。 (これはtomoya.comの知恵です)

さて、この拾いもの+2,360円のマシンがどのくらい使用に耐えるものか、しばらく使ってみましょうか。
私自身つい2年半前まではPentium75+Windows95のマシンをメインとして使っていたのです。
これが何かの使い物にならなければ、それこそ人間(またはOSまたはアプリケーション)が堕落したと考えるのが適当ではないのでしょうか?
今日のまとめ

  1. 古くて死んでいると思われるマシンは、電源を入れてしばらく待つことで復活することがある。
  2. 古くてガタの来たCD−ROMドライブは横倒しにすると今しばらく使えるかも知れない。
  3. 古くてマシンが使えないというのは贅沢から来る錯覚、かな?

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