くまプー、トミカにハマる(後編)

-自分のクルマを買う-


私が所有したことのあるクルマは初代CR−Xから始まって、現在3台目です。
皆さんはクルマを買う時、車種決定にあたって何が最も大きな要素となっているでしょうか。
メーカー、乗車定員、馬力、書評、価格、ディーラーの態度・・・・様々な要素がある中で、私は デザインが気に入ることがまず第一の要素でした。
(次は「無用の可動部分を備えているかどうか」です。)

そのクルマのデザインが気に入って買った以上、そのクルマがトミカにラインナップされるほど万人に人気があるかどうかは気になるところです。

ところがナゼか初代CR-Xはトミカのラインナップに含まれていないんですね。その後においても同じです。ホンダS2000がCR-Xの後輩だったら初のラインナップ入りだと思いますが、私としてはバラードスポーツCR−Xの直系の後輩はインサイトではないかと感じています。インサイトって、トミカどころか実車が走っているのも見ませんねえ。

さて、私がトミカにハマる実際のきっかけになったのは、トミカの25番に三菱ジープビッグフットが含まれていたからです。
何しろよく錆びるクルマですから、ホームセンターで実車用のタッチペンを買って、ついでにレジのそばにあったトミカを買ってしまいました。
コテコテの競技カラーに塗ってあるのが気に入らなかったので一緒に買ったタッチペンで塗装してしまいました。まことに不細工な塗り方ですが塗装の品質(頑丈さ)は上等です。
裏返してよく見るとMITSUBISHI JEEP H-J58とあります。ゴッパーならまさに私の所有しているクルマです。
モデル名 使用燃料 総排気量 エンジン型式 乗車定員+最大積載量
J54 ディーゼル 2,659cc 4DR5型 2名+250kg/4名+0kg
J52 ガソリン 2,315cc KE47型 2名+250kg/4名+0kg
J56 ガソリン 2,384cc 4G53型 2名+250kg/4名+0kg
J58 ガソリン 1,995cc 4G52型 2名+250kg/4名+0kg
J57 ガソリン 2,555cc G54B型 2名+250kg/4名+0kg
J59 ガソリン 1,995cc G52B型 2名+250kg/4名+0kg
J53 ディーゼル 2,659cc 4DR6型 2名+250kg/4名+0kg
J55 ディーゼル 2,659cc 4DR5型(※) 2名+250kg/4名+0kg
※はインタークーラーターボ付き。三菱JEEP Websiteによる)
J58はジープに乗用車用(ギャランGTOと同じ)アストロンエンジンを搭載し、業務用特殊車両というイメージを破った意欲作で、この時期の4WDブームの火付け役となったクルマです。

こうして並べてみれば史上最小排気量ですが、J50シリーズの中では最軽量の車重にきっちり100馬力のガソリンエンジンの組み合わせは見かけによらない軽快な走りとダッシュ力を持ち、現在でも競技用車両として他にひけをとらない活躍を見せています。

厳密に言えば私の所有するのは後期型のJ−J58で、H−J58より幅・長さが15センチぐらいワイド化されて通に言わせれば「不細工になった」タイプです。

話はトミカに戻ります。
このモデル(25−3)がタイヤのでかいビッグフットであるのが実車と違うと不満に思っていた私はさらに追及を重ね、トミカ30周年記念の復刻版のJ3R(25−1)も最近入手しました。
25-1とか25-3とかいうのはトミカが120種しかない中で、世代交代の番号です。

と、すると、25−2はビッグフットでない三菱ジープH−J58なのでしょうか。

実はそうでした。私の所有する実車とそっくりなトミカはビッグフット版と置き換わる形で絶版になっていました。
今から購入しようとすると(買い方にもよりますが)数千円はするそうです。
う。それでは色を塗り替えたり、子供のおもちゃ箱に転がしておくには全く不適当です。

そこで自然の成り行きとして、おもちゃ屋さんをめぐって売れ残りの中に私の好きなモデルがないかチェックする戦法に出ました。(典型的コレクターの道まっしぐらです。)

すると、ショーケースの25番は「光岡ラセード」に代わってしまっているではありませんか。
うひゃー。トミカの三菱ジープも実車の絶版に3年おくれて絶版になってしまっていたのでした。
(なお、J58実車の絶版は昭和56年、最終型J55絶版が平成10年)

慌てて三菱ジープビッグフットをもう一台買ってしまったのはいうまでもありません。

3台あることを妻は知らない・・・・。

さて、私の所有するもう1台。最後に買ったクルマは日産プリメーラです。
残念ながら無用の可動部分へのこだわりはサンルーフで辛抱です。

このクルマのトミカもとうに絶版になっているのだろうと気にとめていませんでしたが、通りがかりのジャスコにブリスターパックが破損して売れ残りになっているのを見つけました。
番号が31番なので日産シーマと入れ替わりで絶版になったばかりのようです。

ここで困ったのは、私の実車が銀色、トミカがワインレッド色のため、360円で買ったミニカーの塗装のために980円のタッチペンを購入しなければならないかどうかという問題でした。

結局はジェット機のプラモデルにハマった頃に買いためたプラカラーで塗装したのですが、プラカラーは子供が抱いて寝るような過酷な使用条件に耐えなかったため、写真撮影の翌日には大事故で炎上した後のようなすさまじい姿になっていました。

満足の1枚。
2台あることを当然妻は知らない。

そのクルマに惚れ込んでウン百万円も支払ったのなら、ぜひともそのクルマのトミカを買っておきましょう。
実車が朽ち果ててなくなってしまっても、きっとトミカはそれより長持ちすることでしょう。


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