二つの津山ネット

-津山リンク集を作る-


www.tsuyama.netのトップページは長らく(4行しかない)粗末なページでしたが、この夏発奮して大改装することにしました。
内容はずっと昔(5年前)そうしていたようにリンク集の形にしました。
普通はメインのページ(ここ)がまずあって、その下にリンク集が配されるものですが、その上下関係を逆にしたことには批判もありました。
これは何とか津山の道しるべになれないかという願いと、メインページ「なべのさかやき」をなるべく目立たない形でリストに加えるというヒネクレたポリシーによります。
もっともこうしたヒネクレたポリシーでいつも損ばかりしているので、今後ずっと逆転リンク集のままかどうかわかりませんが・・・。

津山のリンク集は誰もが知っている大先輩「津山県北エリア・全リンク」があります。
これは「ネットモール繁華街」に併設されたリンク集で、ブロードバンドなんかない昔から津山と県北のサイトを網羅していました。
しかしここは通販サイトの玄関として特に力を入れて整備されたリンク集ですから、私が丸写ししてしまっては申し訳ありません。
それから、この全リンクには長らく当サイト「なべのさかやき」が載っていませんでした。(今は頼んで載せてもらっています。)
こうした事情から私が自分に課した夏の宿題は「津山県北エリア・全リンク」を極力参考にせずに独自の津山リンク集を作成することでした。
方法は主に

といった手段によっています。

編集ポリシーはこれまた偏っていて

このルールが結構厳しくて、津山で最大の商業施設のページがなかなか見つからなくて困ったりしました。また、個人サイトでよく知られているところや、友人のサイトも載せていないところがあります。
リンク集が大きくなってくると分類・並べ替え・表示に何かの仕掛けが必要となってきます。
普通はここでPerlとかMySQLとかが使われるのでしょうが、プログラミングにうとい私はExcelを使っています。
まあ、更新する人が私一人ですから、項目が増えるたびに並び替えてHTMLファイルを生成するのは手作業でも何とかなります。

さて、ここまでは前置きです。
津山に所在するホームページをくまなく尋ね歩いていると、意外なことが見えてきます。
例えば津山の特産物って何でしょう?
「横野和紙」正解です。
「じねんじょ」も忘れてはいけません。
でも、「ハンドバッグ」が津山の特産だって知っていました?
ホームページの有無や内容は現時点では断片的な、偏った知識しか与えてくれませんが、今まで見えてなかったものが見えてくるという、私の好きな体験がここにも待っていました。

津山でもっとも盛んな産業、津山が世界からお金を集めて来る本業は何でしょう?
それはどうもステンレスを中心とした合金や精密加工、機械製造であるようです。
言い切ってしまったら他業種に従事している方々に失礼かもしれませんが、私は津山の皆さんに声を大にして強調しておきたいのです。
合金、鋳造、精密加工、機械製造といった業種は、内陸の工業団地に向いた業種であることは知られています。
製品の重量あたり単価が高いこと、製造工程で水の使用量が比較的少ないこと、そして他に真似がしにくい技術であること等がその要素になっています。
そして他の追随を許さない職人芸を身につけた技術者が津山には大勢いて、現在までの津山の繁栄を支えてきたのです。
そしてそれは津山高専と津山工業高校で冶金や金属加工の専門家を育成していたこと、特に力を入れてきたことの恩恵でした。

ところが、今の両校の教育課程には冶金も金属加工も見当たらないようです。どうやら今はやりの「情報」とか「電子」「NC」と置き換わってしまったようです。
それは時代の流れだよと多くの人は思うことでしょう。私も杞憂であって欲しいと願っています。
しかし、情報工学や電子制御で他の追随を許さない工場が内陸の津山市に出来るのでしょうか。

ステンレス産業についてはこんな話を聞いたことがあります。
何でも部品を国外で作って輸入すれば人件費が安上がりだからと流行なので、現在使っている金型を中国の工場に持って行って数ヶ月部品を作ってみたら確かに安く作れた。しかし、それ以降ぱったりと自社に注文が来なくなってしまった。調べると金型がコピーされていて、同じ部品が安価に無制限に作られて自社のシェアを奪ってしまっていた。特許とか意匠とかに無頓着な国はこういう危険がある。しかし、合金だとその成分を真似することが出来ないから国外に注文を奪われることはない。
津山の工業団地にはその合金のスペシャリストがいるのです。そして合金のスペシャリストを養成した学校があったのです。

商店街に活気がないとか、飲み屋のおねえちゃんにきれいどころが少なくなったとか、地価が下がったとか、地域経済には解決すべき問題が山積みになっていますが、実はこれらは地域の購買力が減少している結果であって、原因ではありません。
それを解決するのは、津山やその周辺の工業団地に他の追随を許さない技術を持った工場が出来なければなりません。誘致するばかりが能ではありません。津山の人が立ち上がって良いモノを作り始めれば、それでもいいのです。
ホームページのリンク集を次から次へたどっていったらつやま新産業NETがまさにそうした使命を帯びて作られた組織であることがわかります。
異業種交流や産学連携に力を入れ、新商品開発や技術援助を行っています。
ずっと昔の教育者が金属工学科を作ったことは内陸の工業地帯に非常に有利な選択となり、津山はその恩恵を享受してきました。次の時代を作る選択はこのつやま新産業NETから生まれるものと期待します。

津山のホームページ探しをしていたら、もう一つ目が離せないサイトがありました。
それはエコネットワーク津山です。
「津山」と「ネット」が付いていたから気になったといえばそうですが、会報に当ページ「なべのさかやき」のDE50に関する記事を取り上げてもらった事からますます注目するようになりました。
それだけでなく、DE50見学や路上観察など、当サイトで言いっ放しにしていたことを実際の活動に取り入れて下さっているのでこの先の展開にも注目しています。

ボランティアのホームページといえば「津山市社会福祉協議会」「津山市コミュニティセンター」をはじめ、領域ごとに多くの団体・サイトがあります。
その中で、日々サイトが更新され、活動の成果がドンドン出てくるページは、その団体の活気をよく言い表していて頼もしいことです。
環境をテーマに活動を展開されている中で、「水」「森」「里山」「食」「リサイクル」「建築」「交通」と、多様な領域での活動が報告されています。うーん、参加者のカラーが随所に現れていて、「好きなことをいっぱいやってみて仲間が増えたら環境にやさしい」みたいなノリがありますね。
私は不幸にしてこの活動に参加していないのですが、営利を追求しないことにこれほどのエネルギーを注ぐことが出来たなら、津山の環境を少しずつでも良い方へ変えていけると思います。

当サイトはこの2つの「津山*ネット」の活躍を心から応援しています。


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