ホリエモンとのび太の関係

-ドラえもん第1巻第1話を読む-


「ホリエモン」ことライブドアの堀江社長が逮捕されてしまって、彼の会社の株価はストップ安買い手なしのまま3分の1になってしまいました。

学生がいきなり会社を興して社長になる、そんな話をずっと昔読んだことがあります。
「しゅうしょくできなくて自分で会社をはじめる」
それは「ドラえもん」の第1話、いきなり勉強机の引き出しから現れたドラえもんがのび太に渡したアルバムに載っていた、のび太の人生でした。


子ども心に、「のび太って、いきなり社長になったんだ。」と、奇妙な感慨とともにずっと不思議に思っていました。
社員になるより、社長になる方が簡単なのでしょうか?

次の次のコマで、のび太の孫の孫のセワシ君が
「きみののこした借金が大きすぎて、百年たってもかえしきれないんだよ。」
「だから、ぼくのうちはとってもびんぼうで…………………。」
「今年のお年玉がたった五十円。」
50円という具体的な数字が泣かせます。

そこで、セワシ君はドラえもんをのび太のもとへ派遣して、のび太の人生を変えようとします。

あれ、天文学的な数字の借金を残して会社がつぶれる?
そんな話にも思い当たるフシがあります。

そうです。ホリエモンはのび太だったのです。

我々は中途半端に変えられたのび太(=ホリエモン)の人生につきあっているのです。
そう考えれば、堀江社長の会社が資本金600万円から数年で時価総額8000億円の企業に成長したことが説明できます。
例によって何かドラえもんの、凄いけれども詰めの甘い未来の機械が悪さをしているに違いありません。

ほら、テレビで堀江社長が歌っています。

大〜きくの〜び太ライブドア 時価総額8000億円

………

今は もう 動かない ライブ〜ド〜ア。


私たちの知らない世界のどこかで、ドラえもんは活動を始めています。
アニメがリニューアルされて、話の初めからリメイクして放映しているのもその兆候かも知れません。
今ごろ東京地検特捜部はドラえもんの居場所についてやっきになって尋問しているのかもしれません。
そう、ホリエモンは失敗を重ねながら私たちの世界をドラえもんの約束する未来へと導いてくれるはずです。


そう、運命は変えることができるのです。

しかし、第1話にはありがちなことですが、ドラえもんのデッサンが安定していませんなあ。

「なべのさかやき」目次に戻る