美乳?

-美しいホームページに隠された???-


「岡山県北エリア全リンク」さんから、今月も津山のWebサイトの新着情報が届きました。
怠け者の津山リンク集管理者の私としては、この大先輩のたゆまぬ活動に頭が下がる思いです。

早速読んで見ると今日の新着リンクの中に「あすぱら津山」というのがありました。
「朝日新聞津山販売」、ははぁ、城西通り沿いのあの新聞屋さんですね。

私はその体裁よく内容も充実したホームページにしばし見とれました。カウンターは107、最も日付の古い記事は9月15日に書かれています。
独自ドメインもマスコットも、ロゴもアクセス解析も完備しています。
こんな完璧なホームページが、たちまち出現するなんて、時代も変わったなあ。と、思いながら、ソースをのぞいて見ました。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Frameset//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/frameset.dtd"> <HTML lang="ja-JP"> <head> <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=shift_jis">
ああ完璧です。私のサイトよりきちんとしている。

でも、次の行が私にはわかりません。
<!-- 美乳 --> <title>あすぱら津山</title>
美乳?
美乳!?

美しいホームページを作ってもらった店主。(店主が一生懸命作った可能性も否定できませんが)完璧で、そして美しいホームページにちくっと美しい「美乳」が隠れていることをご存知なのでしょうか?
(この記事は旬が過ぎたら削除する予定です。)

旬が過ぎたらこのページは削除する予定・・・でした。
「美乳」なんて文言は何かの間違いで混入したものだから、早晩削除されるだろうと思っていたのですが、
私のページの愛読者の方から、これは意味のある記述であることを教えてもらいました。
これは「ホームページの文字化けを防ぐオマジナイ」なのだそうです。

オマジナイといっても無意味なものではなく、詳しく言えば「EUCという文字コードで記述されたWebサイトをブラウザに認識させるために、ページの前の方に埋め込んでおくと効果的な文字列」ということです。

ホームページを書くには何らかの文字コードを使うわけですが、文字コードにはWindowsでよく使われる「Shift_JIS」やUNIXで標準の「EUC」があります。他にも「UTF-8」とか、電子メールの記述に使われる「JIS」があります。
同じように見えるホームページでも、「Shift_JIS」で書いてあるものと「EUC」で書いてあるものがあり、私のサイトはWindows上の「メモ帳」で書いているためShift_JISで書かれています。Yahoo!はEUCでした。おおっと、gooはUTF-8ですね。

これらは通常ブラウザが自動判別するので意識せずに見ることができます(ブラウザのツールバーで「表示」→「エンコード 」と進むと文字コードが指定できます)が、この自動判別が誤って動作すると化け化けのホームページになります。
通常はそのために
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=EUC-JP">
という記述をするのですが、これだけでは万全ではなく、化け字になってしまう場合があります。(Web上のページを文字コードだけ勝手に変換して保存したり中継するサーバが存在するため)
そこで、EUCの文字コードでホームページを書く場合、Shift_JISにはありえないコードの文字をページの前の方に含ませておくと、ブラウザが早くに「あ、Shift_JISじゃないや」という自動判別をしやすくなり、化け字のおそれが減り、ページが速く表示できるというわけです。

Shift-jisは文字コードの16進下2桁が0x40〜0x7Eと0x80〜0xFDの範囲におさまっており、下二桁に0xFDと0xFEが出現しません。 EUCで「美」は0xC8FE、「乳」は0xC6FDですから、(来客に見えない領域に)美乳と書いておけば、文字化けの可能性がぐっと減るわけです。 ちなみにYahoo!Japanでは、同じ役割の文字として「京」(0xB5FE)を使っているようです。

「あすぱら津山」でも<!-- 京 -->ぐらいにしておけば私に気付かれなかったのですが、世の中には<!-- 美乳 -->なサイトも多数存在するみたいです。
「では、『美乳』は意味のある記述だったんですね。初耳です。」と、教えてくれた人に念を押したら、
「いいえ、でもそのページ(あすぱら津山)はShift_JISで書いてあるから無意味です。」

よく見れば成る程です。だってその直前に
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=shift_jis">
と書いてあるではありませんか。
これは確かに、真実の意味でのオマジナイにしかなっていません。

美しく体裁のよいホームページを作る人にも、こうした根本がわかっていない人がいるということでしょうか。
それとも、わかっていてやっているというなら、それはきわめて素敵な洒落であるというほかはありません。
(07.03.15追記)

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