その日、その時?

-わが町のその瞬間。-


私が航空写真マニアなのは、元をたどれば空を飛ぶものが好きだからでしょう。
空から町を見下ろすのは、ずっと昔から私の夢でした。

初めて空を飛ぶ乗り物に乗った日、それは何もすることのない日に昼寝していた日でした。
なんか、外が騒がしいのです。うるさくて昼寝していられないほどヘリコプターが繰り返し上空を飛び交っています。
とりあえず、空を飛ぶものが好きなので、外に出て空を仰いだら、ヘリコプターが自宅の北の方の丘陵から繰り返し飛び立っては5分ほどでまた戻ってきています。
そこで、離着陸が近くで見られるかと思い、バイクで近くに行って見ることにしました。

行ってみればそこは農協まつりが開催されていて、さっきのヘリコプターが着陸しています。
長机を出して受付をしているお姉さんに、「乗せてもらえるんですか?」と聞いてみると、
おねえさんは、「4000円です。急いで!」
といきなりヘリコプターを指さしました。
え?あの、まだ乗るとか乗りたいとか言ってないいんですけどぉ。
とか思いながら手は財布から4000円支払ってしまい、ヘリコプターに駆け寄って運転席の左隣に座りました。
座るとすぐさまヘリコプターは離陸しました。15分前まで惰眠をむさぼっていた私が、予期せず今は空を飛んでいます。いったいどうしたことでしょう!

足の下はつま先のすぐ前が下向きの窓になっています。
真下に見えるのは普段私が暮らしている町。見知っている地図に色がついて、道路には車がえらくノロノロ走っているように見えます。
初めて見る景色に感動したというより、夢の中のようでした。いや、そんな夢をそれまで何度も見てきたので、夢とおんなじだったというのが正直な感想でした。

前置きが長くなりました。
わが町を見下ろす体験ができる津山市のきらきらつやマップがリニューアルされて新しい写真が入っています。ブロードバンド時代に対応して性能も向上しています。
今日はこのシステムで、空中散歩を楽しんでみましょう。

踏切が閉まっている。

航空写真を使って、はじめは観光地やドライブしたら楽しそうなスポットを探していましたが、そのうち上のような光景にいきあたりました。
踏切が閉まっています。
と、いうことは…。

列車が来ている。

近くの線路の上に、その踏切に向かっている列車が写っていました。
駅を出てすぐですから、列車は非常にゆっくりと踏切に向かっており、列車が駅に停まっているうちから待っている車のイライラまで目に浮かぶようです。

これを見つけてから私は、町のその一瞬を切り取っている航空写真にますます魅力を感じるようになりました。
この写真には、わが町の生きた一瞬が保存されているのです。その時私は、何をしていたのでしょう?

体育館前のテント

まず、この写真がいつであるか検証してみます。と、いっても、航空写真は複数回の飛行で撮った写真で雲や影のない部分をつなぎ合わせて作るのでしょうし、1回の飛行でも時間のずれがあるでしょう。ある場所で切り取られた瞬間と、別の場所で切り取られた瞬間はもちろん別物には違いありません。
さて、上の写真を見ると、総合体育館前に四角いテントみたいなものが建っています。クレーンが来て丸太みたいなものを積み上げたりしています。
体育館前がこんな様相になったのは岡山国体、2005年10月のことです。準備中か片付け中かというと、駐車場に使われたグラウンドがまだ荒れていないことから準備中のようです。

行先は温泉か紅葉か

中国縦貫道に目を移せば、こんな人たちが写っています。 バイクのツーリングが西へ向かっているわけですが、非常に行儀よく並んで走っています。
きっと温泉か紅葉をめざして遠くからやって来たのでしょうね。
写真の多くの部分では、この日が休日であったことをうかがわせる証拠が見られます。ただ、私の車は職場の方で写真に写っているので、この日私は働いていたようです。

なんか、めちゃくちゃ人が。

グリーンヒルズにも、大勢の人が集まっています。なんかお祭り騒ぎが起こっているようです。
これは「さつまいも収穫祭」、2005年10月15日(土)にあった行事だそうです。
しかも花時計が11時10分ぐらいを指しています。
これで、切り取られた時間がいつなのか、とりあえず部分的にですがわかりました。

ここにも人が集まっている。

空中を散歩していると、人が集まって何をしているのだろうと思わせるところが他にもあります。
そこに描かれているストーリーが読めて、つい微笑んでしまうこともあります。
ここはその端的な例。この人たちは何をしているのでしょう。

ここは津山ドッグトレーナーズ協会のトレーナーズ場です。リンク先のホームページが紙製なのにもちょっと感心しましたが。
何か大会が近づいているのか、土曜日にも大勢集まって愛犬の訓練に余念がありません。
中国縦貫道からチラッと見えたので、ずっと気になっていた場所ですが、見ただけではこんな施設やがあるなんて誰にも想像できないことでしょう。

決定的瞬間。

さて、野球場を見たときに、私の目は釘付けになりました。
これが何で?って、見えませんか?

守備位置に立っている人が写っています。それだけならまだよい。
目を凝らしてよく見るとセンターが守備位置にいません。二塁の塁審とどちらがどちらかわからない位置に立っているのがおそらくセンターでしょう。
ということは、ここで何かが起こっています。
さらに注意深く見ると、ホームベース5m手前ぐらいに、スライディング状態でまさに突入しようとしているランナーがいます。 センター前フライが犠打となって二塁か三塁のランナーがホームを目指しているところでしょうか。アウトか、セーフか、全く目が離せない瞬間です。

って、どういう結末になったのでしょうね。誰か教えて下さい。

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