月額490円のスマホ

-初めてのAndroidスマホ-


スマホが欲しくなる
4月、長女の高校入学を機に、ガラケーしかなかった我が家にもAndroid携帯がやって来ました。
今回のお話はそのケータイの話…ではありません。
6月、中学校に入学した長男が、姉のスマホに触発されてか、iPod touch(黒)を購入しました。
むむっ。iPod touchは私がずっと狙っていたのに、先に買われてしまいました。

ここで、iPod touch(白)なんか買っても、おやぢとしては、先を越されていてなんかつまらない。(子供相手にムキになるのはどうかとは思いますが)
そこでおやぢが目をつけたのは、中古のAndroid携帯でした。

早速、ヤフオクを物色して、2年前のモデルであるSO-03C(Xperia ray,Android 2.3.4)を8,250円(送料別)で落札してきました。
今日びのスマホはどんどん画面が大きくなって、ついに5インチディスプレイモデルが出てしまいましたが、私は、本体がガラケー並みに小さい3.3インチ画面のXperia rayを選びました。
ワンセグない。赤外線通信ない。Xiない。おサイフケータイない。Android4.0じゃない…。これらのスペックは私にとって必要なくて、私に必要なのは、小さくて電池長持ち。その2点でした。

入手して早速、自宅のWifiに接続設定、そしてLINEのインストール、パソコン内の音楽との連携をしたら、子供のiPhone的な用途は実現しました。
インターネットがサクサク見られて、LINEで通信が出来る。(おっさんには友達は特にいない…)音楽が聴けて、写真が撮れる。 まあそんなところですね。

電話番号を持つ
この状態で、LINE利用者と通話をすることができますし、skypeなどを導入すればもっと多くの人と通話をすることができます。

さて、ここからが息子のiPhoneと差をつけるところです。
050の電話暗号を持って、一般電話への発信と、着信が出来るサービスに申し込むことにしました。
番号が持てるIP電話のサービスは複数の選択肢がありますが、ここでは基本料無料のFUSION IP−Phone SMARTを申し込むことにしました。

こういったサービスにはSIPという通信方式を扱えるソフトが必要だということでしたが、どうやらAndroidスマホには元からその機能が組み込まれているようです。
インターネットで申し込みをして、発行されたパスワードをXperia rayに入力したら、アプリなんか不要であっさりと電話が発着信できるようになりました。 通話料は30秒で8.4円だそうです。

もちろん、この状態では自宅を離れると電話はかけることも受けることもできません。
公衆無線LANが普及した都市部では、Wifiスポットなどを把握していれば案外これでも何とかやっていけるかもしれません。
会話の音質は、手軽さのことを考えればまあまあの範囲ですが、音声が伝わるのは結構遅れがあるので、実用的な用途にはそちらの方がネックになるかもしれません。
なお、FUSION IP−Phone SMARTは、クレジットカードさえ持っていれば、基本料金無料で申し込みも簡単ですが、半年間利用がなければ利用停止となり、同じ電話番号は再度取得できず、同じクレジットカードで再度申し込みすることもできません。
そこのところはお手軽さの最低限の代償と思われます。

データ定額サービスに加入する
さて、家の外で通信できるようにするには、データ通信サービスに申し込めばいいわけです。
中学生の息子の鼻を明かすことができる大人の特権の部分です。(<って、そのためにスマホ買ったのか。<たぶんそうです。) 各社から提供されているデータ通信サービスで、現在一番低額なのはDTIServersMan SIM 3G 100です。
月額490円と数円のユニバーサルサービス料で養えます。

なぜこんなに安いかというと、通常のスマホでもデータ通信の上限量があって、上限を超えると通信速度が非常に遅くなるペナルティがあるわけですが、初めからペナルティを受けたときの遅さであるというのが安さの秘密です。
このサービスでできること
LINE、メール、データの多くないWeb閲覧、IP電話、など。

このサービスでできないが、Wifiでできること
動画視聴、Androidアプリインストール、データの多いWeb閲覧

がんばってもできないこと
090・080といった携帯電話の番号を持つこと、Wifi圏外での高速データ通信、LTE(Xi)通信
こういうことなら、2台目の電話としての使用、しかも見せびらかす相手の少ない遊び用なら十分です。

なお、DTIのServersMan SIM 3G 100にはServersMan 050というIP電話サービスがオプションで付けられますが、月額315円の基本料金がかかるので、私はチョイスしませんでした。
ServersMan 050には、さらにオプションでSMSの送受信ができるようになり、それを使えばLINEのアカウントが作れるので、それはそれでよく考えられたサービスだと思います。 実は、ServersMan SIM 3G 100の申し込みの方が、先に紹介したIP電話の申し込みより先だったのですが、SIMが届くのに日にちがかかったので、IP電話の方が先に開通していました。
SIMを挿していない状態。
SIMにはdocomoと書いてあります。
挿すとNTT docomoと表示されます。
契約している相手はDTIですが、利用している回線はdocomo(3G)ですから、docomoと電波状況は同等です。
SIMを挿してみると、家の外でもある程度のことができるようになったので、短期間のとらわれの身でしたが、鳥かごから飛び出した小鳥のような楽しい気分になれました。

ところで、このSIMを挿してみたところ、設定画面に面白い表示が出ていました。
080で始まる携帯電話用の電話番号が割り当てられています。
Fusionからもらった050の電話番号とは違う番号です。これは何だ?
おそるおそる、この電話番号に電話をかけてみると、「おかけになった番号は、データ通信専用となっており、音声によるご利用はできません。」というメッセージが流れました。要するにそういうことのようです。

使ってみる
実際に100kbpsのデータ通信を使ってみたところ、
IP電話
ちゃんと着信します。音声の遅れはWifiの時より遅れる感じです。自分の声のエコーがずっと遅れて聞こえたりしてシビアな会話では会話が成立しないかも知れません。

画像の多いWeb閲覧
ノロノロと画像が開いていって、昔の56K電話回線を彷彿とさせますが、あの時代を知っている人にとっては当たり前のことに過ぎないし、あれよりは速いです。

モバイルGoogleMapナビ
車で走行中に起動すると、地図を読み込むのが間に合わなくておかしなことになりますが、しばらくすると安定してちゃんと道案内してくれます。
なお、GoogleMapナビは幹線道路優先の道案内をするらしく、ナビの言うとおりにドライブしたら地元を知る人にとっては割と非効率なルートを教えられます。

Gmail
Gmailのアドレスで受信したメールは設定次第でたちどころに着信します。
スマホに標準装備のGmailは使わず、(使っても同じとは思いますが)K9 Mailというソフトを導入しています。
K9 MailはGmail以外も扱えるとのことですが、まだそういう用途には使っていません。
大きな添付ファイルは避けたほうがいいでしょう。

消費電力
Wifiで接続して、データ通信を止める(機内モードにする)のと、データ通信で接続してWifi通信を止めるのとでは、データ通信のみにしてWifiの使用を止めている方が電池の持ちはいいようです。
待ち受けだけでしたら機内モード+Wifiで2日、SIMデータ通信+Wifiなしでは3日と少しといったところでしょう。
音楽プレイヤーは意外と電池を使いませんが、画面を明るくしてアプリを使い倒していたら半日も経たずに電池は済みます。

こうして、初期投資8,250+3,150円、月額493円、通話料30秒8.4円の、なんちゃってスマホが出来上がりました
新しいものを追わない。ちょっとした不便にはこだわらない。それがコストダウンの秘訣です。

高速モードを試す
さて、月額490円というのは、ドコモMVNOの中ではほぼ最安値なわけですが、外出先でどうしても見たい情報がYoutubeの中にあったりしたら、結構ストレスが募ります。
OCN モバイル エントリー d LTE 980(1日30MBまでなら高速、それを超えると200kbps)だったら、月額980円でもそうしたイライラはまずないとも思われます。
DTIの場合、それに対する対策として、100MBあたり263円で高速通信(3Gなりに)が可能になる速度切り替えサービスがあります。
Webから申し込んで切り替えることもできますが、専用アプリがあり、高速(Unlimited)モードと低速(Limited)モードの切り替え、追加チャージがアプリ上でできます。
Limitedモード、チャージなし遅いです。これでもがんばっている方。
Unlimitedモード期待する速度の1/10ではありますが。
実際に高速モードを試してみたところ、速度としては言われているほど出ていないようですが、Wifiと比べてもさほどストレスなく画像の多いWebサイトを開くことができました。
100MBは無神経に使っていたらすぐに使い切ってしまうデータ量なので、金額あたりのデータ量はあまり有利とはいえませんが、高速通信が必要な用事が済んだらデータ量課金を止めて、使い放題のLimitedモードに簡単に戻れるのは私の性分に合っています。
常に状況を把握してWifi、高速モード、低速モードを使い分けるのがめんどくさい、そのためなら月500円余分に払うことが平気、という人ならOCN モバイル エントリー d LTE 980の方が向いています。
逆に、何もないときは徹底的に安く、使い倒したいときは課金次第で機動的な運用ができるというのは、DTIの方が優っています。

とりあえずまとめ
この試みは、月額コスト最小でそれなりにスマホを楽しむ、現状ではミニマムの方法だと思われます。
今さらの3G、Andorid2.3、声が遅れて伝わるIP電話、ということで、万人にお勧めできる方法とは言えませんが、小型軽量なモバイル端末、音質の良い音楽プレイヤー、課金が気にならないネットサーフィン、基本料金の全くかからない電話、そこそこ使えるナビ、そういったものが凝縮したおもちゃとしては最高です。
使い道がないのは多少の欠点にして、最大の問題ですが、家族間通話用にたまに中学生に持たせるには最高にローコストで、それ以上の恩恵がある電話になったのではないかと思います。

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