なんちゃってiPhone
-はじめてのiOSデバイス-
私のスマホは、ヤフオクで2年落ちモデルを落札して使っていたXperia ray(SO-03C)でしたが、ここにきてiPhoneを買おうと思い立ちました。
Xperia rayは、内部ストレージが小さく、そろそろ時流に乗れなくなったスペックだと思われますが、それが我慢できなくなったわけではありません。
きっかけはiPhone6とiPhone6 Plusの発表でした。
とうとうAppleも、かたくなに守ってきた「電話機として使いやすいサイズ」に固執することをを放棄したようです。
じゃあ、iPhone5sが、自分にとっては頃合いの最後のiPhoneになるのかなと思ったことが購入のきっかけでした。
ヤフオクで長い間相場を研究した後、Docomo版32GBの機体を39,800円で落札しました。傷などなく、わりと美品でした。
届いたiPhoneを動作検証するには、nanoSIMが必要ですが、こういうこともあろうかと、私のXperia rayには既にアダプターを介してnanoSIMが刺さっていました。
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Wifiで使うにもSIMが必要 | アダプターとnanoSIM |
入手したばかりのiPhoneは、DTIのnanoSIMを使って、Wifi経由で難なくアクティベートできましたが、次の瞬間、私は致命的な失敗をやらかしてしまいました。
Xperia rayのSIMスロットに空のnanoSIMアダプターを何となく刺してしまったのです。
冷静に対処すれば何とかなったのかもしれませんが、空のアダプターに端子が引っかかり、アダプターを引き抜いた際にショートか何かしたのか、Xperia rayはそのままお亡くなりになってしまいました。
さて、iPhoneの方は次々と設定画面が出て、次々質問に答えていくとすぐ使える状態になりました。
このあたりAndroidとはかなり違うところです。
私の回線はMVNOのDTI Serversman SIM LTEですから、月額使用料は667円(SMSオプション付き)です。
1年iPhoneを養っても8,004円です。
但し、動画を見たいとか、大きなダウンロードをしたいとか思う方は他社のもう少し高いプランを選ばれた方が良いかと思います。
MVNOのSIMをDocomo版iPhoneに刺しても、そのままでは通信ができません。
APNの設定をしてやる必要があります。
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プロファイル |
DTIのホームページにWifi経由でアクセスして、「プロファイル」というものをインストールしてやれば、始めて電話回線が使えるようになります。
<まとめ>MVNOでiPhoneを使えるようにするには
- Wifiが使えるようになるにはまずアクティベートにSIMが必要
- SIMを使えるようにするにはWifi経由の接続が必要
なんか、デキの悪い意地悪のようですが、仕組みを心得ていればすぐ使えるようになります。
さて、iPhoneの使い便利をAndroidと比較してみましょう。
先に(私なりの)結論を言ってしまえば、Androidマシンは国産IT機器の欠点
- 貧弱なストレージに初めからぎりぎり一杯のシステムとアプリが満載されている
- UIがまちまちで洗練されておらず、ユーザーの努力によってカバーされている
をみごとに引き継いでおり、iPhoneはその逆に
- ストレージが初めから十分大きく、システムアップも最新アプリも受け入れ、ハードウエアの寿命まで使える
- UIが洗練されており、初心者でも直感的に操作できる
という感想を持ちました。
Androidにも特有の面白さはあります。しかし3年程で使い物にならなくなる設計は(それにより次の需要を呼び起こすために)わざとやっているとしか考えられません。
以下、Androidを懐かしみながらiPhone使用の感想を書いてみます。
- ストレージ
- Android
Xperia rayはRAMが512MBしかなく、初期設定時に300MBぐらいは食ってしまっているので、LINEやIP電話を次々と入れると、最後に容量不足でアプリ更新ができなくなります。
「中古で型落ちの機種を買ってきて言いがかりつけんな」と言われそうですが、Xperia rayの発売時期(2011年8月)はiPhone 4からiPhone 4sへの交代の時期(2011年11月)とそう違いはありません。
iPhone4をそのまま使い続けている人もいるところ、Xperia rayは発売1年後には早くもAndroid4.0へのアップグレードを断念していることを見れば、初めからギリギリのハードウエア設計であったことがうかがわれます。
私は購入後早速root化して、プリインストールアプリをバサバサ消してしまったので、実際に使い続けた人がどのような感想を持ち、どの時点で買い替えを決断したかはわかりませんが、新品から3年目にはようやくLINEが使えるが、最新ゲームは無理という状況であったと思われます。
- iPhone
32GBは、上記のような状況のXperia rayと比較すれば、音楽やアプリをいくら入れても使い切れる感じがしません。
感想も何もない状況です。
- アプリ
iPhone購入後、早速入れてみたアプリはこんなラインナップです。
- SMARTalk
フュージョンコミュニケーションズのIP電話アプリです。
050ではじまる電話番号を持っていましたが、Androidから電話番号ごと引っ越してきました。
半年間利用がないと契約解除になるという点だけ気をつければ、基本料金ゼロで電話番号が持てるというのは大きなメリットでしょう。
ただ、誰にも番号を教えてないので一切かかってくることはありません。
- LINE
使わない人もいますが、コミュニケーション手段としては基本です。
電話帳から相手を抽出してきますから、思わぬ人がどんどん友だちになってきますが、職場の上司とか友だちになりたくない場合もありますから、LINEを導入する場合には電話帳の取り扱いに注意した方がいいでしょう。
私はデータ通信専用SIMで、電話はSMARTalkになっていますから、電話帳はほぼ空っぽです。
- FrightRadar24
全世界の空を飛ぶ飛行機がどの会社のどの機種で、どこから来てどこへ行くのかわかるアプリです。
そんなんわかって何になるのかという人もあるでしょうが、たまたま空に見える飛行機が、アンカレジから来て台北に行くのだとか、北京から来て関空に降りる途中だとかわかるのはワクワクします。
人の知らないものが見えるというのは、好奇心をかきたてる経験です。
- Google Maps
iPhoneにもともと入っていたマップはあまり大したことのない性能と見受けたので、Google様のお世話になることにしました。
ナビはAndroidのものより進化していて、どちらのルートをたどれば何分早いかというヒントをくれます。
また、先の道の混み具合を時々刻々と教えてくれて、到着まで何分かというのをかなり正確に教えてくれます。
但しGoogleナビを過信して、おかしな道を突き進んだことが何度もありますから、100%信じずに適当にあしらうのが吉かと思います。
- Pages/Numbers/Keynote
Microsoft Word/Excel/Powerpointの代替になるものと思ってインストールしましたが、今のところ使ったことがありません。
- ServersMan SIM Unlimited
DTI Serversman SIM LTEの通信速度は通常250kbpsですが、追加料金で増速(要は普通のLTEの速さに)することができます。
通常と増速を切り替えるためのアプリです。
Android版の同ソフトには、特定のアプリが動作していることを検知して増速するSilk Senseという機能がついていましたが、iOS版にはこの機能はないようです。
- ユーザーインターフェース
- Android
様々な機種に使われているため、ユーザーインターフェースの考え方にも一貫性がない印象があります。
機種によって「戻る」「ホーム」「メニュー」のほか、Xperia Rayにはありませんでしたが、「一覧」に相当するボタンがあったりします。
3年使って謎のままだったことですが、実に多様なアプリがプリインストールされていて、そのいくつかは(いや、かなり多数が)どうやったら起動するのかサッパリわかりませんでした。
小難しいことを何とかすることが趣味ですから、それが面白いといえばそうでした。
- iPhone
全て直感的に操作でき、ユーザーが気にする必要のない部分には触れさせない、そういうAppleのポリシーは決して好きではないのですが、それでいて全く不便なところがないのはさすがAppleです。
一番感心したのは、画面の上端と下端をスワイプしたら出てくるメニューで、Wifiなどの機能On/Off、音楽プレイヤー、懐中電灯、タイマー、電卓など、とっさに必要とするものが揃っています。
Androidなら、アプリなり、ガジェットを導入して、あれこれ切り替えて使えるように自分で構築するものでしたが、何が必要で、とりわけ何が必要でないか、よく考え抜かれています。
タスクマネージャーにしても、ポイッと放り投げたらアプリが止まるなど、直感的でストレスのないUIとなっています。
ボタンが1つだけなんて!と、初めは思いましたが、それはそれで合理性の極致です。
- 使い便利
- Android
Androidの悪口はここまでにもかなり書いてきましたが、root化とアプリ削除、そしてこまめなアプリ停止により、待ち受けで電池が1週間ぐらい持つことも珍しくありませんでした。
中には行儀の悪いアプリがあって、何の前触れもなく突然大きな消費電力を食い始め、半日も持たずに電池がなくなることもあります。
「設定」メニューからアプリを選んでこまめに停止することが日課になってから、思わぬ電池切れはほぼ避けられるようになりましたが、そういうことを日課にしないと使い物にならないというのはツールとしてデキが悪いとしか言いようがありません。
- iPhone
iPhoneの使い便利で、意外な欠点だと思ったのはストラップ穴がないことです。
落下防止用のリングが付いたストラップをわざわざ買って待っていたのですが、おや?つける所がない?
ヤフオクに出品されていた中古iPhoneの多くが、美しいアルミフレームの角に無残な傷を受けていたのは、このささやかな欠点と関係があると思われます。
電池の持ちについては、待ち受けならかなり持つと思われますが、Androidの頃と違って休みなく使っているので、何とも言えません。
アプリの動作に電池を食われるよりも、画面を照らすのに電池を食っているような気がします。
これまでMVNOでみんな苦労していたのは、テザリングができない問題でしたが、iPhoneがiOS8にアップデートした際に、テザリングが普通にできるようになりました。
普段は使っていませんが、地味に便利な機能です。
- MVNO(DTI Servers man SIM LTE)について
- Android時代から、Servers man SIM LTEを使っていますが、iPhone移行に先立って、SMSオプションを追加したので、月額料金は667円(税込み)です。
iPhoneを養うのに月額5,000円以上支払って、「これ、何だかんだで本体無料なんだぜ。」と思っている方々がほとんどと思いますが、私のiPhoneは、中古で39,800円というところが「なんちゃって」なのではなく、ランニングコストが「なんちゃって」で養えるのです。
ただし、最高速度が250kbpsで、「使いすぎペナルティが常にかかった状態」であることから、動画を見たい人、どこでもかしこでもアプリをすぐダウンロードしたい人、普通の電話番号を持ちたい人、などには向きません。
特に、速度は最高が250kなだけであって、込み合うときには50kbpsを割り込むこともあります。
(知らん顔で250k以上出ているときもあります)
DTIは他のプランがないというところも潔いですが、ユビキタスということを心底理解して普及してくれているところを尊敬します。
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維持費が安いのがなによりの取り柄でしたが、INGRESSを本気でやると1日に100MBぐらいは使うのでServers man SIM LTEでは懲罰的な速度制限がかかるようになりました。
50kbpsなんてものじゃなく、5kbpsぐらいになって、「オマエハモウ客ジャナイ」という強烈なメッセージを毎日受ける羽目になりました。しかもDTIにはそれ以外のプランはないのです。
なので不本意ですが、b-mobile SIM ライトプランに乗り換えることにしました。(15.03.13追記)
サービスが始まったばかりのDMM Mobileも気になったのですが、通信量が3GB/月を越えて伸びていくならb-mobile有利、通信量が1GB/月を下回るようならDMM有利と思われます。
DocomoやSoftbankで契約している人から見れば、私のは存在自体が「なんちゃって」なiPhoneですが、早速手ばなせないアイテムになっています。
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