ご先祖さまの供養の仕方 |
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まず第一に、お参りした時を仏さまに知っていただく為に、胸の前に両手を合わせ(合掌)一礼。次に「供養」といって、ご仏前に色々なものをお供えいたします。これは仏さまのお徳を敬(うやま)う心の基調となるものです。真言宗は、この供養ということを非常に尊重いたします。仏さまに供養することによって自分の徳が磨かれ、仏の道を成就すること(即身成仏)ができるのです。その供養を「六種供養」といいます。 |
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一、 お 花 たえしのぶ徳 |
花は美をあらわしています。心がなごみ、腹立ちが消えてしまいます。四季折々のお花をご仏前にささげましょう。仏さまの徳がいただけます。トゲのあるものや、匂いの悪いものは立てないようにししょう。 |
二、 ご 飯 心をしずめる徳 |
食べ物には味の徳があります。良い味は人を満足にし、良い心を起こさせます。赤ん坊でも、子供でも同じです。お腹がいっぱいの時は気持ちがゆったりとします。それで、ご飯をおそなえしていますと、心に落ち着きが出来て、安定した生活が送れます。 |
三、 お 茶(お 水) 施しの徳 |
お茶(お水)にはものを活かす力があります。その力(生命)を保たせて下さる仏さまの慈(いつく)しみの徳をいただくように、お茶(お水)をお供えします。 |
四、 お 灯 明 智恵の徳 |
お灯明は光です。暗黒は地獄、光明は極楽です。仏さまは、智恵の光明で世の中を照らし、人の心の闇をのぞいてくださいますから、ご仏前にお灯明を供養しますと、いつも明るい心、正しい生活の智恵を得られます。 |
五、 お 線 香 はげみ(精進)の徳 |
お線香のように、まっすぐに、終始一貫して人の道を守り、仏の道に進んで、かぐわかしい人格の匂いを発するのが、はげみの徳です。お線香は、ふだん三本(手前一本、後二本)立てましょう。これは、それぞれ身体(からだ)と言葉と心を清めます。 |
六、 お 塗 香(ずこう) 仏の戒(いまし)めを守る徳 |
よくお寺さんが、読経の前に茶色の粉を手に塗っているのを見かけます。これを塗香とといいます。塗香は清めるという意味で、仏さまのお体に塗るという思いで、香りの良いお香を自分の両手にぬります。清い手、清い心では、仏さまの戒(いまし)めは破れません。 |
この六種の供養を行うことは、以上のような功徳がそなわります。仏さまにお供えすることは、自分の身体を動かしてすることですから、そこに供養の心がこもります。 |