伯耆大山ほうきだいせん
剣ヶ峰けんがみね(1729m) 弥山みせん(1711m)
位置
鳥取県大山町

コース
中心となる夏山登山道と、大山寺から、元谷、夏山6合目下へとつながる行者コースがある。
本来は最高地点である剣ヶ峰(1729m)へのルートと縦走が出来ていた。
しかし、現在は崩落が進み、弥山(1709m)より先は立ち入り禁止状態である。
夏山登山道は、その名のとおり、夏にはごった返すほど老若男女に愛好される人気コース。
行者コースは急登であるが、元谷から見上げる北壁の展望は絶景。

山容
弥山はもともと(1711m)であるが、鳥取西部地震の影響で以前より2mほど低くなった。
標高以上に気象条件は厳しい為、時期によりそれなりの装備が望まれる。
西面は、伯耆富士と呼ばれる端正な三角錐。北面、南面は荒々しく切り立つ断崖。
見る位置により、非常に多様な表情を持つ。
近年は山頂の崩壊が激しく、縦走は禁止されているコースがある。
特に剣が峰・弥山間の「ラクダ」と呼ばれる縦走路はとても歩ける状態ではない。
弥山山頂にも通行禁止の看板があり、ロープも張られている。
中腹のブナの原生林、頂上付近のダイセンキャラボクやお花畑は一見の価値あり。
6合目付近からは大木が無くなり、展望を満喫しながらの登山となる。
頂上の弥山小屋周辺は路面保護の木道が広い範囲で整備されている。

大山西壁
<米子道溝口ICより大山西壁>
大山南壁
<鍵掛峠より大山南壁>
地図
大山(五万分の一地図)

記録
2006年10月9日(夏山登山道−元谷)
2003年9月14日(夏山登山道往復)




大山夏山登山道−弥山−行者コース

(一木一石運動)
近年風化の著しい大山山頂付近を保護するために、登山者に石や木の山頂への担ぎ上げを呼びかけています。 小石の一つでかまわないので、あなたの力を貸してくださいという感じ。 夏山道登山口付近で登山届けを出すついでに、石場から拾っておきましょう。
(登りはじめ−五合目)
下山キャンプ場に車を止め(有料)阿弥陀堂へ石段を登る。ブナの林を楽しんでいるうちに、本格的な登りに。 五合目を越えるまでは展望もないが、延々と続く自然の深さを満喫できるはず。
(五合目−六合目)
五合目のあたりからガレはじめ、ペースも自然に落ちてくる。いよいよ山道というムードになるのと同時に、 展望も徐々に開け、桝水高原、日本海、山頂へのルート等ががパノラマに広ががりはじめる。
(六合目避難小屋−八合目)
六合目避難小屋付近で景色を楽しみながら一服。東側には険しく立ち上がる剣ヶ峰も望める。 避難小屋から八合目までは北尾根と呼ばれる急坂。浮き石なども多く要注意。 高度を稼ぐと共に見晴らしもどんどん良くなる。時に振り向いてその展望を楽しもう。
七合目
七合目から日本海方面
(八合目−お花畑)
八合目をすぎると一気に展望が広がり、やがて、特別天然記念物のダイセンキャラボクの大群生地を通る。 険しかった道が嘘のようになだらかになり、周囲に散らばる高山植物が楽しめる。俗にお花畑と呼ばれるのも、このあたりから。
(九合目)
ダイセンキャラボクや高山の花を楽しんでいると、コースは木道になる。ボコボコという歩く音に違和感を感じてしまう。 緩やかに続く木道の向こうに山頂小屋も見える。この付近からの弓が浜などの展望は本当にすばらしい。 ここから見える夕日は、一生の思い出にもなるような感動を与えてくれるはず。チャンスがあれば、ぜひ見ていただきたい。
八合目 九合目
八合目から望む 九合目周辺の木道
(弥山山頂へ)
にぎわう山頂に到着。登ってきた北面からは日本海の彼方まで望める大パノラマを楽しみ、 また、風化の進んでいる南面では、自然の厳しさに驚くはず。しばし、中国地方の頂上からの風景を堪能してもらいたい。 中国地方の最高所に立っている自分を感じてほしい。携帯電話でお友達にコールしても良いかも。弥山小屋は売店もあり。
(下山開始)
もと来た道を五合目の付近まで下山。登った時の急坂は、下ってもやはり急坂。落下してゆくような斜面もあるので慎重に。 ひたすら下って行き、五合目の手前で行者コースとの分岐があるので、下山はそちらを選ぶ。
(行者コース)
丸太の階段が所々に設けてあり、整備はされている。が、かなり急な部分もある。展望は無いが、爽やかな森林浴が楽しめるはず。 一気に高度を下げ、まるで、森の奥深くに落ちて行く感じ。延々と続く下り坂に、別世界へのトリップを感じてしまうかも。
(元谷)
丸太の階段をひたすら歩いていると、元谷(もとだに)に出る。目の前には大きく広がった、大山北壁の屏風のような、 すばらしい風景が広がっている。頑張った人にだけ分かる、すばらしい風景のはず。ゆっくり一服しましょう。 かなり下ったつもりになるが、このあたりで標高1000m。
元谷
元谷から剣が峰を望む
(元谷−大神山神社)
再び森に入る。急坂もほとんど無くなるが、疲れもドッと出てくるところ。堰堤などが続き、人間界に降りてきた気分になる。 大神山神社の裏手に出て、山道は終了。神社にお参りの後、ちょっと歩きにくい石畳の参道を下る。
(大山寺)
石畳を下りきると、大山寺と旅館街に出る。大山寺に行ってもよし、おみやげを買ってもよし。人間の作った華やかな雰囲気を感じるはず。 ここから車のある下山キャンプ場までは歩いてすぐの距離。

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