那岐山 登山(2007年7月16日 くもり後雨)
<気持ちのよい朝>
長男の幼稚園が夏休みになったので、一緒に山に行こうと誘う。
以前から一緒に登りたいと思っていた、那岐山に行き先を決定。
外で遊ぶのが大好きで、山などにも気軽について来てくれるのはうれしい。
しかし、近所の里山を登ったことはあるが、いきなりの那岐山、大丈夫だろうか。
一抹の不安と、一緒に歩ける喜びを心に込めて、とりあえず自宅を出発。

直撃かと心配していた台風は無事通過したが、まだ少し不安定な空模様。
子供向け登山なので、天候次第で中止も考えながら登ってみようと考える。
奈義町に向かう道中では、それほどの悪天候とも感じられない。
津山市内の国道53号を走りながら、車中から二人で那岐山頂を眺める。
那岐三座もきれいに眺められ、これは期待できそうだと気分が高まる。

この日は、Stephan氏主催の、聖約山岳会も那岐山を計画されている。
Stephan氏は、岡山の山メーリングリストでお世話になっている方。
相談すると、快く同行を許して下さったので、お言葉に甘え、ご一緒させてもらう。
那岐山登山口第三駐車場には、すでにStephan氏の一行が到着済み。
聖約山岳会は、Stephan氏とS女史、小学生S君の3名。
Stephan氏以外のお二人は、山を歩き始めたばかりらしい。

今回はCコース往復の予定で、我が家は長男に合わせてのんびり登る。
ヤマジノホトトギス(ユリ科)が沢山咲いている登山道を、それぞれのペースで登る。
長男も、小学校のS君と一緒に歩けるのが楽しい様子。
少し安心しながら、順調に登ってゆく子供達について歩く。
皆伐地帯を過ぎた林道出会で、雨が降りはじめるが、それほど気にはならない程度。
長男は急坂も問題なく歩いてくれ、これならば、いろいろ一緒に登れそうな気がする。

順調に大神岩に到着し、長男初めての1000m到達を喜ぶ。
大神岩に一緒に立ち、ガスの隙間から少しだけ覗く景色を眺める。
のんびりしていると、だんだんと雨が強く降りはじめる。
長男にヤッケを着させ、私は傘を差して歩くことに。
ザンザン降りになる中、S女史とS君は、濡れるがままで立っている。
聞けば雨具持参が無いらしく、予備のポンチョとカッパを使ってもらう。

<雨中のリタイヤ>
雨でもあり、ここからは山岳会と別行動で、ゆっくり歩くことにする。
1075m標高点手前の急坂を登る頃、一段と雨が強まり、極端に長男のペースが落ちる。
立ち止まっては歩き、歩いては立ち止まり、といった感じになってくる。
「行けるか」と訪ねれば「もう行けない」と言うので、ここでリタイヤを決める。
「絶対に動くなよ」と言い聞かせ、長男をその場に残し、先行の3人を追いかける。

山岳会一行に追いつき「申し訳ないが、無理そうなので、リタイヤする」と告げる。
また機会を作って一緒に歩こうと約束し、長男の待つ場所まで駆け下りる。
雨足はさらに強くなり、登山道は滝のごとく、泥流が流れまみれる。
「ゆっくり気をつけて歩けば大丈夫」と長男を励ましながら下る。
それでも、大神岩を下ったところで「恐くて歩けない」とギブアップしてしまう。
雨とガスでかなり暗くなり、ここまで良く頑張ったというところだろう。

傘をたたみ、カッパを着込んで、長男を背負うようにする。
ザックはザックカバーを付け、前に掛け直して歩くことに。
ザック自体はたいして重くないが、豪雨の中、19kgの長男を背負って下れるのか。
とりあえず、川と化した登山道で滑らないよう、一歩一歩確実に下る。
二人とも、ずぶ濡れになるが、気温が低くないのでなんとか我慢できる。

途中「僕、もう大丈夫だから、歩く」と言い出し、背中から下りる。
それでも、少し歩くと「やっぱり、歩けない」と言い、再び背負う。
何かおかしいと思いつつ、何度かそれを繰り返し、はたと気付く。
実は必死でしがみついていた為、腕が上がってしまっていたようだ。
かわいそうなことをしたと「絶対に落とさないから、手は回さなくていい」と言ってやる。

林道の出会からは、少しでも足場の良いところをと林道を下る。
林道をのんびり下るうち、次第に雨も弱まり、明るさも戻ってきはじめる。
長男の気分も回復したのか、今度は本当に自分で歩くと言い、軽快に歩きだす。
側溝の流れを眺めたりしながら、楽しそうに歩くので、私もザックを背負いなおす。
BCコース入口周辺の沢は、かなり水かさも増し、音を立てて流れている。
雨のため、まともに写真を撮っていなかったので、ここで記念撮影。

また天気の良い日に、登りに来ようと話しながら、第三駐車場に到着。
私の体力が持たないならば、何が何でも歩かせようと思っていただけに、ほっとする。
二人とも、パンツまでずぶ濡れだが、そこまでの着替えを持ってきていない。
長男を全裸にさせ、タオルなどで体をくるみ、私は濡れたままの姿で車に乗る。
体が冷えないように、車のヒーターを全開にしながら帰路を急ぐ。
国道53号へ出ると、道は全く濡れておらず、山の天候には気をつけねばと再認識する。



<今回のコースタイム>
BCコース登山口10:08−10:28林道出会10:32−11:45大神岩11:55−標高1050mリタイヤ12:05 −林道出会12:52−13:10BCコース登山口


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