那岐山登山(2009年1月2日 雪)
<2009年登り初め>
岡山の山メーリングリスト
のとんぼやさん
、のほ氏
、バリ父氏と正月の那岐山登山を計画する。
早朝、バリ父氏に近所まで迎えに来てもらい、その足でとんぼやさんを拾い、一路奈義町へ。
とんぼやさんは今日が初めての冬山で、チャレンジしてみようということが企画のスタート。
集合場所のローソン奈義店に到着すると、のほ氏と一緒にHUKUSIMA氏も待っていてくれる。
急遽、参加できるようになったということで飛び入り参加、正月早々うれしいことだ。
コンビニで地図と計画書をコピーし、青くなりはじめた東の空に向かって出発。
津山を出発した時は雨だったが、次第にミゾレから湿雪、奈義町に入る頃には乾いた雪へ。
ローソン前の路面は既に積もり始め、轍がしっかり目立ってきている。
車3台で那岐山麓山の駅に向かって走るが、国道を曲がった頃には10cmを超える積雪に。
四駆のバリ父号、のほ号はしっかり白い路面を走ってゆくが、しばらく行くとHUKUSIMA号がスリップし始める。
HUKUSIMA氏の携帯から「走れそうにないので国道まで引き返す」と連絡が入る。
当然スタッドレスなのだが、これから続く坂道を考えれば正しい判断だろう。
バリ父号が取って返し、国道沿いの24ドライブインでHUKUSIMA氏を拾う。
先行の、のほ氏は駐屯地馬天領線入口前の広場に駐車しており、バリ父号も側に駐車。
雪は降り続き、山は白み始め、期待と不安と久しぶりの雪山にワクワクしながら準備。
のほ氏とHUKUSIMA氏はカンジキを付けて、他はツボ足でのスタート。
他に登山者はおらず真っさらな新雪の中、とりあえず私が先頭で歩き始める。
積雪のほとんどが昨夜から積もったのだろうと思えるようなフカフカの雪道。
BCコース登山道入口で小休止し、もうしばらく私が先頭を歩くことにする。
積雪は30cm程度で、根雪はほとんど無いように感じる。
まだなんとか地面の凹凸が分かる状態の中、じっくりじっくりと歩く。
<新雪の道>
スロースターターの私は、毎回ここから林道出会いまでの区間が一番苦しい。
気温は氷点下だが、風が全く吹いていない為、すぐに汗が噴き始める。
林道の出会いに登りつめて小休止、ここからHUKUSIMA氏が先頭に立ち、私は最後尾に。
森林学習広場を過ぎたトラバースで降り返ると、見事な雲海が見え始めている。
雪のやむ気配は無いが、それほどの悪天候ではないようで、うれしくなってくる。
順調に積雪は増え続け、二人で踏んだカンジキ跡でも、ツボ足ではズボリとはまり始める。
積雪の山が初体験のとんぼやさんも、なかなか歩くポイントがつかめない様子。
水場は完全に凍りつき、太いツララが3本雪に隠れて垂れ下がっている。
一度、のほ氏が先頭に立つが、聞けば冬靴とカンジキのシェイクダウンらしい。
いきなりのハードソールにカンジキは、なかなか大変だったのではないかと想像する。
大神岩手前のつづら折れでは、既に50センチ近い新雪に苦労しながら登る。
今回、山頂で鍋をしようと、発案者の私は人数分の食料満載のザックを担ぐ。
新雪を踏みながら、皆に分担してもらえば良かったと少し後悔する。
出発してから、2時間弱でどっさり雪の積もっている大神岩に到着し、大休止。
ガスが結構な速さで流れ、雪を掻いて登った大神岩からは、下界が見え隠れする。
天候は随分落ち着いてきたようで、少し安心する。
大神岩から先、とんぼやさんが先頭にチャレンジ。
カンジキでも苦労する深雪に悪戦苦闘しながらも、順調に歩く。
ほどほどで、再び、HUKUSIMA氏が交代。
HUKUSIMA氏は変わらず元気で、自然と他メンバーとの間隔が空いてゆく。
私もフーフーと息を上げながらもついてゆく。
<山頂の悪天候>
三角点峰直下の稜線の登りに出るころ、青空が広がり始める。
一気にすばらしい青空が広がり、輝く山頂も望め、気持ちも高揚する。
滝山への縦走路も望め、周辺の山々も次第に見渡せ、正月早々良い気分だ。
ここまで苦労して登ったのが報われる一瞬だ。
私は荷が重いということで、後のほうを歩き随分楽はしたのだが。
青空の三角点峰に立ったのもつかの間、風が強くなり、吹雪になってくる。
長居は無用と避難小屋へと急ぐが、吹雪はますます強まる。
三角点峰から、避難小屋がこれほど遠かったかと感じるほどの風と雪。
コース上の吹きだまりにはまれば、腰まで雪にもぐりこむ。
バリ父氏から「情況を見て、早めの撤退も考えよう」と助言をもらう。
いくらも距離が無いが情況から考えて、それも必要だと思えるような状態。
泳ぐように雪を掻き分け、なんとか無事に避難小屋に到着。
入口の扉も凍結で開かず、数度叩いて雪と氷を崩し、ようやくドアが開く。
室内に入るなり、皆の体から湯気が立ち昇る。
吹雪から離れられ、ほっと一息という感じで休息をとる。
おのおので昼食の仕度をしながら、私は鍋の準備に取り掛かる。
必死で担ぎ上げた食材が、ようやくここで日の目を見る。
今日のメニューは「適当キムチ鍋」。
下ごしらえしてきた豚肉500gをぶち込み、カットした野菜と白菜キムチ500gを一緒に煮込む。
出汁、味噌、醤油と砂糖で味付けし、豆腐を一丁つっこんでスプーンでくずせば出来上がり。
見た目はともかく、適当に出来たようで、残すこと無く皆で良い具合に平らげる。
<楽しい下山路>
身体も温まり、食事後は山頂などの散策の為、自由時間とする。
天候も少し落ち着き、のんびりとした時間が流れる。
数人の正月登山者が避難小屋に到着し、新年の挨拶を交わす。
今回、私は片付けやら疲労やらで、山頂へは行かず。
下山後、正月なんだから、やはり山頂へ行っておけば良かった、と残念に思う。
山頂アタック組も小屋に戻り、ぼつぼつと準備をし、下山に取り掛かる。
ガスは出ているが、とりあえず吹雪は収まり少し安心する。
吹雪が止むと、往路であれほど苦戦した深雪もそれほどには感じなくなる。
三角点峰までの間で、3名の登山者とすれ違う。
やはり那岐山、やはり正月、悪天候でも登山者は少なくない。
そんな中、この山で新雪のラッセルが出来たことは、ある意味幸運だったように思う。
天候は次第に明るくなり、下界もしっかりと眺めることが出来る。
下り始めると、続々と登ってくる登山者とすれ違う。
それぞれに新年の挨拶を交わすのも、楽しい時間である。
まだ新雪の雰囲気をしっかり残している登山道を楽しみながら下る。
時にコースから外れ、踏み跡の無い新雪を楽しんだり、にぎやかな下り道。
登りは苦しかった私も、軽くなったザックのおかげで楽しく歩ける。
大神岩からのつづら折れを下った後からは、今は廃道となっているコースを選んで下る。
私も以前は使ったこともある道たが、最近は荒れてしまい、ずいぶん久しぶりだ。
ブッシュがうるさいところはあるが、昔の登山道や沢の名残がはっきりしており、迷うことは無い。
徐々に積雪は少なくなるが、雪遊びには十分な積雪で、各自が思うまま転げるように下ってゆく。
そのまま林道出会まで、大人5人で行き遊びに興じながらの下り道を行く。
林道出合からは、来た道を戻り、無事に駐車位置まで到着する。
<総括>
飛び入り参加のHUKUSIMA氏がいなければ、もっと厳しい道程になっていた。
やもすれば、登頂も出来ていなかったかもしれない。
何にしても、5人いたからこそ登頂することの出来た道程だったと感じている。
単独行の多い私だが、改めてパーティのありがたさ、本当に実感した一日であった。
「正月に那岐山に登る」その名前に惹かれるのか、行為に惹かれるのか。
苦しいなりに、癖になるタイトルである。
----------------------------------------------------------------------------------------
<今回の装備(登山開始時装着品)>
- 登山靴(ガルモント・マウンテンブーツ・ゴアテックス)
- ソックス(パイル地・職人の店)
- パンツ(化繊100%・衣料品店)
- タイツ(陸上競技用・化繊100%)
- 作業ズボン(化繊100%・職人の店)
- ベルト(化繊100%・ホームセンター)
- Tシャツ(バイク用・吸湿速乾素材化繊100%)
- 長袖シャツ(登山用・化繊100%)
- フード付きブルゾン(登山用・ベンチレーション付・ゴアテックス)
- 手袋(薄手・フリース・100円ショップ)
- ロングスパッツ(冬用・ゴアテックス)
- 腕時計(プロトレック)
- ストック(レキ・ダブルタイプ・深雪用バスケット装着)
<今回の装備(携行品)>
- ザック(30リットル)
- スタッフバック2枚(パッキング用)
- ビニール袋6枚(パッキング用)
- ウレタンマット(薄手・半畳分・100円ショップ)
- アルミ断熱シート(100円ショップ)
- 新聞紙
- レインパンツ(登山用・ゴアテックス)
- ネックウォーマー(フリース・帽子兼用型・100円ショップ)
- 予備ソックス(パイル地)
- 手袋(厚手・ウール100%・ホームセンター)
- オーバーグローブ(登山用・ゴアテックス)
- 軍手2組(綿ポリ混合)
- タオル2枚(綿100%)
- ゴーグル(スキー用・防曇タイプ)
- ウインドブレーカー(陸上競技用)
- 水筒(ペットボトル・1リットル)
- 非常食(おにぎり1ヶ)
- 行動食(キャンディー)
- 昼食(おにぎり1ヶ)
- 宴会用食材(肉・野菜・豆腐・キムチ・味噌・砂糖・醤油・塩・ダシ・計1.5kg)
- 医薬品(タッパーに一式)
- ナイフ(レザーマン)
- ライター3ヶ
- 細引き(10m・ナイロン)
- ロールペーパー
- ヘッドライト(替え電池含む)
- 携帯電話2台(カメラ使用)
- 割り箸2膳とお玉1本
- スプーンとフォーク
- コッヘル(大鍋・中・小・蓋付き)
- ガスストーブ(EPI・直付けタイプ)
- ガスボンベ1本(ウインター用・230g)
- 地形図(2.5万図・20万図)
- 方位磁石(オリエンテーリング用)
- メモ用紙(パチンコの広告の裏)
- ボールペン2本
- 計画書
- 折りたたみ傘
- 免許証・保険証
<総括>
積雪予想を見誤り、好天用の軽装備にしてしまい衣装に余裕がなかった。
山頂付近の深い深雪対応として、スノーシュかカンジキが欲しかった。
グローブの予備を忘れており、ギリギリの状態だった。
ソックス以外の予備衣料を準備していなかったのは失敗。
ザックの容量が足らなかった、もう一つ大きいものにしたほうが良かった。
調理用の水は、バリ父氏、のほ氏に委託。
予備のガスボンベがパッキングに収まらず、HUKUSIMA氏に委託。
<コースタイム>
馬天領線入口前7:20−BCコース登山口7:43−8:06林道出会8:13−水場8:40−9:15大神岩9:28−三角点10:36−11:07避難小屋12:10−三角点12:17−12:41大神岩12:48−旧登山道12:59−森林学習広場13:10−林道出会13:16−BCコース登山口13:24−第一駐車場13:35−13:38馬天領線入口前
[top]