競馬必勝手を探して(その3)

-マーチンゲールは必勝の法則-


競馬必勝手を探してネット上を検索してみると、競馬投資法データベースに辿りつきました。
今は更新をお休みされているようですが、私の競馬投資法研究には非常に参考になるところでした。
こちらのonoman氏は必勝法の模索にあたり、先の話の玄三券法のような何かのファクターの分析による必勝手はないというスタンスから出発しています。
ターゲットを高確率・低配当の馬券に絞って資金配分とコロガシをバランスよく用いることにより、継続的な利益をあげるのが目標というのが趣旨です。
玄三券法がコロガシを否定している(と思われる)以外は、案外スタンスが似てはいます。しかし、アプローチは全く逆方向からのものです。

まず、入門編としてマーチンゲールの法則というのが紹介されています。
詳しくは書かれていないのですが、これは単純明快な無敗の法則で、別の言葉で言えば「倍買い」の法則です。
2倍程度のオッズの馬券を100円買いました。
当たればそれで良し(100円の儲け)ですが、外れる場合もあるでしょう。
外れたら次は同じく2倍程度のオッズの馬券を200円、つまり倍買います。
当たれば400円で、すっかり元が取れます(100円の儲け)が、外れる場合もあるでしょう。
2回外れたら次はさらに倍の400円をオッズ2倍の馬券に賭けるのです。
当たれば800円で、元が取れます(100円の儲け)が、外れる場合もあるでしょう。・・・・
こうして、資金を倍々にしていけば、最後に1度当たり馬券を出せば先の負けは必ず取り返せて、必ず儲けが出るというのがマーチンゲールの法則です。
さて、この法則のどこが落とし穴なのでしょう?

朝から買い始めて11レースまで倍買いが外れ続けたら、12レース目の賭け金は10万2400円になっています。ここまでの投資総額は10万2300円。合わせて20万4700円を投じて、もし当たれば20万4800円が帰ってきて本日の儲けは100円になります。
しかし不幸にもそれが外れたら、明日(または来週)は最低20万4800円からの投資になりますので、定期預金を解約して競馬場の門をくぐりましょう。100円の儲けのために・・・。

「そんな馬鹿なことにはならないだろう。」と誰しも思うでしょう。
これはマーフィーの法則の裏返しで、99.9%の人が12レース以内にいくらかの儲けを手にすることができる、現実の必勝手です。
しかしまた、多くのギャンブラーは途中で「もう少し勝率の高い(オッズの低い)賭けにしよう」と考えて、オッズ2倍より低い馬券を当ててしまったりします。これは確実な損になります。
逆に「こんなに苦労したんだから、オッズの高い馬券を買って、勝ったときの利益を大きくしよう」と考える人もあるかもしれません。その勇気は賞賛すべきかもしれませんが、ゴールがさらに遠くなることは気の毒なことです。
こうして一貫した投資方法が貫けないことは、しばしば危険でもあるし、何の学習効果もなく次の戦いに臨まなければならないのは不幸なことだと思います。

onoman氏のサイトでは、このマーチンゲールの法則を軸として、モンテカルロ法、ココモ方式、その他多数の必勝手を検討して、「金丸法」を究極としています。
金丸法については有名な投資法であるために他でも記事を見かけましたが、「競馬投資法データベース」はそこに至る過程の解説の積み上げが貴重ですね。

「金丸法」は、要約すると簡単です。
単位を決めて(仮に1000円とします)、13単位の資金を準備します。
1レース目は1単位(ここでは1000円)を賭けます。
当たればOKですが、外れれば資金を3倍にして(ここでは3000円)次のレースに賭けます。
さらに外れれば次はさらに3倍の9単位(ここでは9000円)を次のレースに賭けます。
(それで外れれば自分の無能を嘆いて一旦打ち切りです。次は1単位からやり直し。もしそうしない場合は27単位で再挑戦というのもアリですが、それが限度です。)

当たった場合は1単位からまた再開ですが、資金が13分の1以上増えていたら、資金の13分の1を新しい1単位として(ここでは13000円が14300円になっていたら1100円を1単位として)始めます。
先に説明した倍買いを3倍単位でやっているのは積極的です。これにより、オッズ1.4倍でも利益が出ることになりますが、外れた場合の賭け金も急増しますから3回以上は無理となっています。
この説明を見て私は、確かに資金配分とコロガシがバランスよく配分された方法だとは思ったのですが、今までの自分の戦績を思い出して苦ぁい気分になりました。

まず、資金が沢山必要であるというところ。
1単位を100円としたら資金総額は1300円から始まります。
しかし、それでは資金が倍の2600円になるまでコロガシが始まりません。
それまでは1300円を危険に晒しては数十円の利益を積み重ねるという気長な作業になりそうです。

次に3回賭けに失敗したときは、資金は全てパーというところ。
元返し覚悟の本命複勝でも私の技量では3回失敗はすぐ起こります。
1300円ならともかく13000円を投じても1日のうちに素寒貧になるのは目に見えています。
(あくまでも「私なら」です。)

やはり馬を知り、馬場を知り、オッズを知り、血統を、過去の戦績を、騎手を、何もかも知っていなければいかな秘伝といえども簡単には勝ちを許してはくれないもののようです。(当たり前やがな)

半年近くも机上の空論を積み重ねてきたので、必勝マーチンゲールの法則を実践してみたくなりました。
仕事の帰りにコンビニで「競馬ブック」を所望します。・・・と、「中京版」しか置いていません。
「阪神版」か「京都版」が好きなんだけど、コノコンビニ、ナマケトンカ〜と、しぶしぶ中京版を買いました。
帰ってJRA.go.jpのホームページを見たら、関西での開催はしてないんですね。年中しているのかと思った。(このドシロウトが!)

金曜日の夜中に「競馬ブック」を開いて準備です。
各レース、競馬ブック予想オッズの2番人気をチェックします。
発走時刻と、電話機で打ちこむコード番号(01209001#とかいうやつです。)を紙に書きこんでいき、子守りの合間に前レースの結果をチェックして次に買えるレースに倍賭けする作戦です。
子守りの合間に直前オッズを調べて作戦を練る暇はないので、苦肉の策ではありますが、専門紙のオッズ予想である馬が2番人気であったとしても、実際には1番人気になったり、4番人気であったりして直前オッズとはかなりな隔たりがありますから全く不利です。
そこのところをええ加減にして馬も知らずに賭けをして、損することは目に見えているような気がしますが、必勝マーチンゲールの法則を忠実に実行できれば、とりあえず損はしない理屈です。
これは、倍買いに自分が(精神的に、資金的に)耐えられるかどうかのテストです。
実際の売買によって自分に合った賭け方が1,2,4,8なのか1,3,9,27なのか、はたまた1,2,3,4なのか知りたいのです。

中京5月18日
レース 馬番 馬名 賭け金 着順 配当 現在所持金
19アグネスストロング100 909450
313マチカネシュツジン300 609150
55ブルーストーン500 408650
610ダイタクカレラ100 1208550
86ヤマトメロディー200 13808930
95パータノスター100 608830
1レース、9時には早々に電話をかけました。結果がインターネットに現れたのは2レースの締め切り直前だったのでしょう。順調に外れました。

3レース、金丸法に倣って1,3,9と賭けようと何気に300円の投資をしましたが、これまでこんな高額の馬券を買ったことはありません。私の根性を試すためか外れ。

5レース、900円・・・を賭けるべきところを早くも挫折して500円のベット。結果は・・・500円にしといてよかった。 ここで自分の無力をかみしめながら一区切り。

6レース、100円から。セオリーではここで私は2700円を賭けるところですが、早くも敗色濃厚です。

8レース、200円。単純な倍買いだったらあるいは持ちこたえるかも知れません。当たりで1.9倍380円の配当。80円の儲けが出ました。

9レース、100円から。子守りを続けながらも要領がわかって間をあけずに買えるようになりました。が、ここで奥様が帰ってきたので極秘の研究はおしまいです。結果は外れ。明日は200円持ってきてね。という状態で撤収です。

さっき自分で書いたことですが、
「一貫した投資方法が貫けないことは、しばしば危険でもあるし、何の学習効果もなく次の戦いに臨まなければならないのは不幸なことだと思います。」 この言葉が自分の頭上に落ちてきました。
1300円を投じて回収は380円というのが、何の研究もせず、方針も定まらない賭けをした結果です。
翌日はオークスなので調子に乗って200円買ってみました。

東京5月19日
レース 馬番 馬名 賭け金 着順 配当 現在所持金
1114シャイニンルビー200 508630

馬連では万馬券になるほど荒れましたが、現実の2番人気だったユウキャラットが3位につけていて、やはり直前オッズを知ることは必要だと感じました。
今回の反省

  1. やると決めたら途中で怖れたり、欲を出したりして方針を変えてはいけない。
  2. 直前オッズを知らなければ正しい賭けはできない。(的中というのとは別)
  3. 連続して買わないと周期的に巡ってくるチャンスを逃すことになる。
  4. その前に、競馬についてもう少しは勉強したら?
中京は多頭数の競走が多く、票も分散しているので中身をよく知らずに買うのは厳しいことは承知していました。
それに、2番人気が負けるときは先行して頑張った後に馬群に沈むような負け方をするのでしょうか、無残な順位であることが多かったように思います。
何より机上の空論を半年温めた私の、無残な沈み方はどうしたものでしょう。
これに懲りずに研究は続きます。

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