上田さんにインタビュー
1.  今の時代は、白いものがいいという考えになってきています。
 だから、身の回りで使われている紙の多くは、薬品を使って
白くしてあります。それに比べて、手漉きの和紙の色は、茶色ですが、
みざらしをし、中性紙(原料そのもの)です。
手間はかかりますが繊維が生きています。だから、ほとんど変色は
しません。何年も長い時間がたつと、かえって、色が落ちて白くなります。
薬品を使って白く漂白した紙は、何年かたつと黄色になります。
これは、元の色に戻っているんですね。つまり、化学的に白くしてあり、
繊維が死んでいる状態なんです。
こんな所にも和紙の良さを感じます。
手間がかかり、機械で作るより、同じ品質のものが作りにくいですが、
受けついだ伝統の技術をこれからも守っていきたいと考えています。
2.  三椏を育て、収穫し黒皮にするまでは、農家の人が
しています。最近は、作る人がずいぶん減ってしまいま
したが、指折りな産地です。紙へいの原料として国の
機関にも納められています。
 うちで使う黒皮は、勝田郡や久米郡の農家から
取り寄せています。

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