技術・家庭科


平成10年学習指導要領(平成14年実施)


「生きる力」を重視する中教審答申を受けた教課審答申は、完全学校週5日制を実現するためには、教育内容の厳選が必要であるとした。また,社会の変化に対応するため情報に関する基礎的内容を必修とすることとした。現行の技術・家庭科の領域に細分化された構成を改め、生活という視点に立って内容を総合化し、学習した知識・技術を実際の生活に一層生かすことができるよう、ものづくりやコンピュータの活用の基礎的技術にかかわる内容を中心とする「技術」と、衣食住の生活や家族・家庭にかかわる内容を中心とする「家庭」に再編されることになった。

目標

生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術とのかかわりについて理解を深め,進んで工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。

年間授業時数

必修 1年70,2年70,3年35

領域構成と履修方法

(技術分野) A技術とものづくり B情報とコンピュータ
(家庭分野) A生活の自立と衣食住 B家族と家庭生活




第8節   技術・家庭
 
第1 目  標
 
 生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術とのかかわりについて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。
 
 
第2 各分野の目標及び内容
 
〔技術分野〕
 
 1 目  標
 
 実践的・体験的な学習活動を通して,ものづくりやエネルギー利用及びコンピュータ活用等に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,技術が果たす役割について理解を深め,それらを適切に活用する能力と態度を育てる。
 
 2 内  容
 
 A 技術とものづくり
 
(1) 生活や産業の中で技術の果たしている役割について,次の事項を指導する。
ア 技術が生活の向上や産業の発展に果たしている役割について考えること。
イ 技術と環境・エネルギー・資源との関係について知ること。
 
(2) 製作品の設計について,次の事項を指導する。
ア 使用目的や使用条件に即した製作品の機能と構造について考えること。
イ 製作品に用いる材料の特徴と利用方法を知ること。
ウ 製作品の構想の表示方法を知り,製作に必要な図をかくことができること。
 
(3) 製作に使用する工具や機器の使用方法及びそれらによる加工技術について,次の事項を指導する。
ア 材料に適した加工法を知ること。
イ 工具や機器を適切に使い,製作品の部品加工,組立て及び仕上げができること。
 
(4) 製作に使用する機器の仕組み及び保守について,次の事項を指導する。
ア 機器の基本的な仕組みを知ること。
イ 機器の保守と事故防止ができること。
 
 
(5) エネルギーの変換を利用した製作品の設計・製作について,次の事項を指導する。
ア エネルギーの変換方法や力の伝達の仕組みを知り,それらを利用した製作品の設計ができること。
イ 製作品の組立て・調整や,電気回路の配線・点検ができること。
 
(6) 作物の栽培について,次の事項を指導する。
ア 作物の種類とその生育過程及び栽培に適する環境条件を知ること。
イ 栽培する作物に即した計画を立て,作物の栽培ができること。
 
 B 情報とコンピュータ
 
(1) 生活や産業の中で情報手段の果たしている役割について,次の事項を指導する。
ア 情報手段の特徴や生活とコンピュータとのかかわりについて知ること。
イ 情報化が社会や生活に及ぼす影響を知り,情報モラルの必要性について考えること。
 
(2) コンピュータの基本的な構成と機能及び操作について,次の事項を指導する。
ア コンピュータの基本的な構成と機能を知り,操作ができること。
イ ソフトウェアの機能を知ること。
 
(3) コンピュータの利用について,次の事項を指導する。
ア コンピュータの利用形態を知ること。
イ ソフトウェアを用いて,基本的な情報の処理ができること。
 
(4) 情報通信ネットワークについて,次の事項を指導する。
ア 情報の伝達方法の特徴と利用方法を知ること。
イ 情報を収集,判断,処理し,発信ができること。
 
(5) コンピュータを利用したマルチメディアの活用について,次の事項を指導する。
ア マルチメディアの特徴と利用方法を知ること。
イ ソフトウェアを選択して,表現や発信ができること。
 
(6) プログラムと計測・制御について,次の事項を指導する。
ア プログラムの機能を知り,簡単なプログラムの作成ができること。
イ コンピュータを用いて,簡単な計測・制御ができること。
 
 3 内容の取扱い
 
(1) 内容の「A技術とものづくり」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のイについては,技術の進展がエネルギーや資源の有効利用,自然環境の保全に貢献していることについて扱うこと。
イ (2),(3)及び(4)については,主として木材・金属などを使用した製作品を取り上げること。(2)のウについては,等角図,キャビネット図のいずれかを扱うこと。
ウ (4)については,製作に使用する電気機器の基本的な電気回路や,漏電・感電等についても扱うこと。
エ (6)については,草花や野菜等の普通栽培を原則とするが,地域や学校の実情等に応じて施設栽培等を扱うこともできること。
 
(2) 内容の「B情報とコンピュータ」については,次のとおり取り扱うものとする。
ア (1)のアについては,身近な事例を通して情報手段の発展についても簡単に扱うこと。(1)のイについては,インターネット等の例を通して,個人情報や著作権の保護及び発信した情報に対する責任について扱うこと。
イ (3)のイについては,生徒の実態を考慮し文書処理,データベース処理,表計算処理,図形処理等の中から選択して取り上げること。
ウ (4)については,コンピュータを利用したネットワークについて扱うこと。
エ (6)のイについては,インタフェースの仕組み等に深入りしないこと。
 


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