向山洋一教育実践原理原則研究論文/ 各学年/向山式学習システム・特別教室への移動・朝ワーク
          

  向山式学習システムを日々活用する

  岡山県津山市立北小学校    岡田健治


1.すぐに役立つ向山実践の原理原則
 前号まで、「向山式歴史授業」について、書かせていただいた。1年間、多くのお便りをいだき厚く御礼申しあげる。また、ご指導に深く感謝したい。
 さて、今回からは、「向山実践原理原則活用のポイント」と題して、新しく入会くださった若い会員の方を対象に、日々の授業や学校生活にすぐに役立つ原理原則を毎回ご紹介することにする。お気軽にお読みいただければ幸いである。
 向山洋一先生は、「プロ教師への道」(明治図書)で、

私は、「教師が教える」ということをあまりしないのだ。
 「子どもが自分で学んでいく」というシステムを作るのである。
 教師の仕事は、「学習システムを作る」のが第一で、「教える」ことは第  二であると思っている。

と述べている。これが、「向山式学習システム」の基本的な原理である。
 私は、教師はえてして「教える」のが第一であると思っている人が多いと思う。
 先日、ある学校の公開発表を見に行った。廊下を歩くたびに聞こえてくるのは、教師の「教える声」ばかりだった。にわかに作った教具を黒板に張り付け、口角泡を飛ばして説明に熱中する教師が多かった。
それで、子どもの力が伸びれば問題はない。しかし、さっぱり成果が上がらないのが事実である。教師の長い長い説明に子ども達は、うんざりしているのである。
「システム」が無い教室ほど、教師の指導言が多くなる傾向にある。
 以前、私は同じことを毎回言っていることに気づいた事があった。
 4校時の体育が終わり、給食の準備に入る場面である。子ども達は、教室に帰り体育の話などをしながら、着替え始める。教室は、騒然としている。その中で、私は、叫ぶ。
「体操着を早く着替えなさい。給食当番は、早くエプロンに着替えなさい。皆は机を班でくっつけて、手を洗います。」
この苦労から解き放たれたのは、向山式システムを取り入れてからである。
向山先生は、教室移動後の給食準備について次のようにご教授くださった。

私は、給食の前に特別教室への移動がある時は、給食の形に机を移動さ
 せてから、教室移動をします。給食台も出させておきます。給食当番のエ
 プロンも机の上に置かせてから、移動させるようにしています。

 これは、素晴らしいシステムである。私は、「今日から給食の前に教室移動がある時は、先生が一々言わなくても、このようにするのですよ。」と先の内容を指示した。それからは、私が何も言わなくても、実に素早く給食の準備にかかれるようになった。
3校時終了後に、「じゃあ、理科室に行きます。廊下に並びなさい。」と私が指示すると、子ども達は、給食の形に机を移動する。給食台当番が給食台を出し、給食当番がエプロンを取りに走るのである。

2.朝ワークの学習システム
 私の学校では、朝の8時30分から40分まで職員朝会があり、その間は、子ども達だけで朝の自習をすることになっている。10分と言えども、週6日。1年間すると大変な時間となる。そこで、私は「朝ワーク」という当番を作り、その子達にプリントを配布させるようにした。「教材開発」は、クラス全員でした。結構面白いらしく、子ども達は、私がいなくても席を離れたり、廊下に出て遊ぶようなことはなかった。
 しかし、このシステムには、致命的な欠陥があった。子どもが開発した教材を、私がかなりの時間をかけて印刷しなくてはならないのである。今日はしよう、今日はしようと思いながら、ついつい時間がとれずに煩わしくなった。                                   
 そこで、私は、画期的なシステムを思いついた。B4を4つに切った紙に解答欄と氏名欄だけ下のように印刷 した紙を大量に印刷し、教室に置いた。

 
  氏名(     )

 @

 A

 B

 C

 D

 そして、「朝 ワーク」当番の子に、前日の放課後に問題を板書させておくのである。問題を書くときには、必要に応じて相談 に乗った。これで、印刷していた時とは比べ物にならな いくらい、楽になった。今では、ビンゴゲームの用紙も置いているので、朝からビンゴで盛り上がっている。
 学習システムを開発するポイントは、「教師が一々言わなくても、子どもが自分でやることがもっとあるのではないか」と日々の生活を顧みることである。


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詳しくは、向山洋一教育実践原理原則シリーズ(明治図書)向山洋一監修 岡田健治・小林幸雄編集 向山洋一教育実践原理原則研究会著をご高覧ください。