先般、「教育課程審議会『中間のまとめ』」が発表になったが、その中で「通史学習にならないようにする」という旨が明記されている。「向山式歴史学習」は、まさに時代を先取りした授業方法なのである。
まず私は、次のように発問した。
発問1 戦国時代を学習します。前の時代は、何時代ですか。
子ども達からは、次の二つの答えがこされた。
・鎌倉時代 ・室町時代
さて、 どちらが正しいであろうか。たっ たこれだけでも、討論が成立するような
最も象徴的なことを一つ選ぶ。 発問である。向山先生は、鎌倉時代とし
ているが、これは明らかに鎌倉時代である。なぜなら、室町時代の後半は、群雄
が割拠する戦国時代に突入しているから である。また、室町幕府を滅ぼしたのは
織田信長であるが、それまでは室町時 代であるからだ。
私は、前の時代を「鎌倉時代」であると説明して発問した。
発問2 鎌倉時代の特徴をノートに書きなさい。
指示1 ノートに書けたら、先生の所に持って来ます。
既習ではあるが、「鎌倉時代の特徴」を問われた子ども達は、今まで無かったような集中を見せた。つまり、シーンとした知的な集中なのである。
ややあって、小走りに持って来た子ども達のノートを私は見て、異なる意見を板書させた。出て来た意見は、次の通り。
@新仏教が広まる。(1人)
A領地を守ってやったり、手柄を立てれば新しい土地を与えた。(1人)
B御家人は、戦いの時には「いざ鎌倉」と言って馳せ参じた。(1人)
C将軍と武士の関係は、「御恩と奉公」だった。(1人)
D源頼朝が、将軍となり幕府を開く。(15人)
E壇ノ浦で平氏が滅びる。(1人)
F鎌倉への出入り口にには切り通しがあった。(1人)
G元が二度攻めてくる。(4人)
H源氏と平氏の戦い。 (2人)
板書が終わったら、人数分布をしらべる。私のクラスは32人であるから、棄権した子が5人いたことになる。それにつけても、子ども達から出た意見の多さに私は驚いた。
まず、なぜそのように書いたのかを順に板書した本人に発表させ、賛成意見のみ発表させた。その後、反対意見を「指名なし」で発表させた。
子ども達は、資料集や年表、教科書を開いて反論をしていった。
EとHは、鎌倉時代ではなく平安時代の終期なのであっさりつぶされた。残りの意見であるが、決定打がでないうちに膠着状態となった。
私は、次のように説明して一つ一つ消去していった。
「@は、文化の特徴。Dは、かなりいいが、時代の特徴とは言い難い。Fは、鎌倉の地形的特徴。Gは、鎌倉時代が滅んだきっかけであり、鎌倉時代のすべてに渡って元に悩まされたわけではない。」として正解は、ABCとし、最もよいものは、Cの「御恩と奉公」であるとした。
私は、以上のように解を限定したが、「解は限定すべきかどうか」を向山洋一先生におたずねしたところ、「限定すべきです。」と述べれたのだった。
時代の特徴を検討する授業は、まさに21世紀の歴史授業なのである。